クルーズ船テロ想定の合同訓練 長崎海保など連携確認

テロリスト役を制圧する海上保安官=長崎市松が枝町

 長崎海上保安部や県警、消防など12機関でつくる「危機管理コアメンバー」は2日、長崎に入港中のクルーズ船を標的としたテロを想定した合同訓練を長崎港松が枝岸壁一帯で実施した。
 各機関から108人が参加。来年夏に予定される東京オリンピック・パラリンピックに向け国際テロの対処能力を向上させる狙い。2月にクルーズ船で訓練予定だったが、新型コロナウイルスの影響で中止していた。
 長崎海保の巡視船でじまを客船に見立てて実施。入港作業中の船内で爆発による火災が発生し、会員制交流サイト(SNS)に「爆破物をセットした」との投稿があったため船内がパニックになっている-との想定。負傷者の救助や乗客に紛れたテロリストの制圧などの手順を確かめた。
 長崎海保の有馬雄一部長は「オリンピックやパラリンピックは、人が多く集まり、動きも活発化するためテロの標的になりやすい」と述べ、テロ対処能力の向上を強調した。

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