燕新助っ人サンタナの特徴は? 圧倒的な破壊力の反面、コンタクト&守備に難

ヤクルトとの契約が発表されたドミンゴ・サンタナ【写真:Getty Images】

ゾーン内のコンタクト率が低いが、四球は選べる

2020年のプロ野球もシーズンオフに入り、各球団が来季に向けての戦力編成を進めている。すでに来季の新外国人選手との契約が合意に達し、発表した球団もある。

それぞれの球団の浮沈を左右する新助っ人選手たち。では、それぞれどんな特徴を持った選手たちなのだろうか。米球界時代に残してきた成績、データを検証し、その特徴を探ってみたい。

今回はメジャー通算77本塁打を放った実績を持つ大物、ヤクルトの新外国人選手であるドミンゴ・サンタナ外野手を見ていこう。

サンタナの実績、そのパンチ力は申し分ない。ブルワーズに在籍した2017年にメジャー151試合で打率.278、30本塁打85打点の好成績を残した。2018年は成績を落としたものの、マリナーズに移籍した2019年には121試合で打率.253、21本塁打69打点。今季はインディアンスでわずか24試合の出場に終わったものの、メジャー通算では516試合に出場して打率.255、77本塁打244打点という成績を残している。

長打力が高い一方で2017年には178三振、2019年にも164三振を喫しており、三振数は多い。また、ストライクゾーン内でのコンタクト率が通算でも80%を切っており、ボールをバットにコンタクトさせる能力は高くない。それでいて、ボールの見極めは悪くなく、四球は選べる。打率の低さと三振の多さには目を瞑りつつ、それなりの出塁率と本塁打を期待するタイプだ。

ファストボールに強いが、時にチェンジアップ等のオフスピードピッチが苦手

球種別に見てみると、ファストボール(フォーシーム、ツーシーム、カットボールなど)に対しての打率がほぼ毎年最も高い。これに対してブレーキングボール(スライダー、カーブ、ナックルなど)やオフスピードピッチ(スプリット、チェンジアップ、フォークなど)に対しての打率は落ちる。

特にオフスピードピッチに対しての成績は芳しくない。通算77本塁打のうち、ファストボール系で48本、ブレーキングボール系で24本、オフスピード系は3本だけ(2本は不明)となっている。もちろんスイング数にも違いはあるものの、この手の球種にどこまで対応できるか、が日本での成功の鍵を握るか。

そして、サンタナの最大の懸念とされるのが、守備面の拙さだ。DHのないセ・リーグだけに守備に就かなければならない。外野手のサンタナは主にメジャーで右翼と左翼を守ってきたが、守備指標であるUZRは通算でマイナス。2020年こそ改善の兆しを見せているが、UZRは通算でマイナス30.0となっている。

2019年まで決して守備の上手くないバレンティンを左翼で起用してきたヤクルト。これと同じように守備面の拙さは我慢しつつ、打撃で結果を残してくれることを願うことになるだろうか。(Full-Count編集部)

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