宇久に毎年2000万円 日本風力開発が「離島活性化基金」創設へ

 長崎県佐世保市宇久町で国内有数の風力発電所建設を計画している日本風力開発(東京)が、地域への貢献策として、毎年2千万円を拠出し地元の畜産業や漁業などを支援する「離島活性化基金」の創設を検討していることが6日分かった。島内にない薬局の開設などもサポートする方向で住民代表らに提案している。
 計画は2009年に表面化。最大出力は約100メガワット。同町の宇久島と寺島に風車を計50基設置する予定だったが、騒音などによる悪影響を懸念する住民から反対が相次ぎ、同社は計画の見直しと住民の理解促進を図っている。
 関係者によると、現時点の計画では風車1基当たりの発電規模を増やすことで、最大出力を維持し、風車の数を計31基まで削減する。22年の着工、24年の運転開始を目指す。
 同社は発電所開設後、収益から毎年2千万円を基金に繰り入れる方針。そこから畜産業と漁業の振興支援にそれぞれ300万円を分配。残り1400万円は、住民と協議し、インフラや教育・福祉、観光振興などに活用する。
 同社は、佐世保市内の調剤薬局事業者と連携し、来年10月ごろ、宇久診療所付近に薬局を開設できないか協議中。整備費を同社が支援する。島内の光ケーブル導入もサポートする方針。同社は「宇久島と共存できるような貢献策を考慮している。島民との対話を続けていく」としている。
 宇久町では、風力発電のほかに、九電工(福岡市)などが大規模太陽光発電所(メガソーラー)を計画している。


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