原爆犠牲者を追悼 古関裕而氏作曲「長崎盆踊り」披露

原爆犠牲者の冥福を祈る「長崎盆踊り」を披露するメンバーら=長崎市、市民会館

 民謡舞踊の保存と普及に取り組む長崎民謡舞踊連盟のメンバー32人がこのほど、長崎市魚の町の市民会館で開かれたコンサートで、原爆犠牲者を追悼する「長崎盆踊り」を披露した。
 盆踊りは当初、市の「被爆75周年記念事業」に選ばれた「長崎平和盆踊り大会」で披露する予定で練習を重ねていた。8月に開催予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止を余儀なくされた。
 「長崎盆踊り」は「長崎の鐘」(1949年)などを手掛けた作曲家、古関裕而氏が作曲。市民会館の井手達夫館長が、同連盟がコロナ禍で盆踊りを披露する場がないと知り、市民会館で開く古関氏の楽曲を振り返るコンサートへの出場を提案し、実現した。
 盆踊りの音頭と手拍子に合わせ、着物姿にうちわを持ったメンバーが踊りを披露。溝上純子さん(77)は、「踊りができる幸せを感じ、舞台に出ると思わず足がすくんだ。原爆で亡くなった方の供養ができて良かった」と話した。

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