冬は越前岬水仙ランドの絶景を楽しもう!開花が始まっています

越前町といえば、水仙。
日本水仙の三大群生地として知られ、日本最大の面積を誇ります。
この地に咲く水仙は『越前水仙』というブランド名が付いているほどで、県の花、町の花にも指定されています。
越前町の水仙を楽しむなら、越前岬水仙ランドがおすすめ。
水仙の季節(品種によってずれがありますが、12〜1月頃)は、県外からも多くの観光客が訪れる人気観光スポットをご紹介します。

展望台からの絶景×水仙

越前岬水仙ランドに来たら、まずは展望台Bまで上がりましょう。
ギリシャ神話のナルシス(水仙の学名)にちなんで『ナルシスの丘』と呼ばれる丘に咲く水仙と、越前海岸の絶景が楽しめます。

私が行った時は4月上旬だったため、もう水仙はあまり咲いていませんでしたが、道端にちょこんと生えている水仙も可愛らしくて素敵でした。

展望台Bよりもさらに上に行き、梨子ヶ平千枚田水仙園を通り過ぎると絶景ポイントがあるので、水仙のシーズンはそこまで行くのがおすすめ。

少し下におりるとハーブ園もあります。
温室の中は様々なハーブが植えられていて、とてもいい香りが。ハーブ好きにはこちらもおすすめです。

越前岬灯台

さらに下におりると越前岬灯台があります。

設置されたのは昭和15年3月。

越前岬沖は風の流れが複雑で、航海の難所でもありました。
また、戦時体制下の生産拡充と物資動員に海運は大きな役割を果たしていたため、航路標識の整備が行われ、その一環として、越前岬灯台が建設されたのです。

越前岬灯台には4等フレネルレンズが使われており、これは福井県内の灯台では一番大きなものです。
初代のレンズは水仙の館に展示してあるので、間近で見ることができますよ。

ガーデンクラブハウス 水仙の館

越前岬灯台の向かいには、水仙の博物館『水仙の館』があります。

館内では水仙にまつわる過去の新聞記事や作品などが展示されています。

入り口正面には、水仙の学名「ナルシス」の由来である、ギリシャ神話のナルキッソスの像がありますが、その後ろに一際目立つものが。

これは越前水仙カップと呼ばれるもの。
平成16年まで、大相撲初場所の優勝力士には越前水仙とともにこのカップが授与されていたそうです。

大相撲の東京、大阪、名古屋場所の優勝力士には福井県賞として福井梅が授与されていますが、かつては水仙も送られていたんですね。

水仙鑑賞庭園

水仙の館内には、1年を通して水仙が楽しめる温室があります。
シーズン外でもここに来れば可憐な水仙を十分に楽しむことができますよ!

文学資料室

水仙の館中央には越前岬や越前水仙などを題材にした、越前町ゆかりの文学作品が展示されています。

開高健氏や水上勉氏をはじめ、地元出身の作家も含めて6名の作品を楽しむことができます。

水仙にまつわる伝説…

最後に、水仙にまつわるお話を少し…。

越前町と水仙には古くから伝わる伝説があります。

昔々、次郎太という男が、海で一人の娘を助け、仙と名付けました。
美しく優しい仙は村でも評判の娘となりました。

次郎太には一郎太という兄弟がおり、二人ともが仙に心惹かれるようになります。
仲の良かった二人もそのことがきっかけで不仲になっていき、とうとう刀を持ち出して斬り合いを始めてしまいました。
そして、揉み合いの末に二人は海に落ちてしまいます。

その光景を目にした仙は自分のせいだと思い、海に身を投げてしまいます。

次の日、白い六枚の花びらをつけた美しい花が一輪流れ着き、それを拾った村人たちが、これは仙の化身であるとして、海が見える山肌に植えてあげました。
それから、毎年仙が身を投げた寒い頃に、あたり一面にその花が咲くようになりました。

村人たちはこれを「水仙」と呼ぶようになったというお話です。

また、水仙の学名はナルシスで、これは、なるシルトの語源でもあるギリシャ神話のナルキッソスにまつわる伝承が由来だとか。

ナルキッソスが水を飲もうと、水面を見ると、中に美しい少年がいた。
もちろんそれはナルキッソス本人だった。
ナルキッソスはひと目で恋に落ちた。
そしてそのまま水の中の美少年から離れることができなくなり、やせ細って死んだ。
また、水面に写った自分に口付けをしようとしてそのまま落ちて水死したという話もある。
ナルキッソスが死んだあとそこには水仙の花が咲いていた。
この伝承から、スイセンのことを欧米ではナルシス(Narcissus)と呼ぶ。
出典:Wikipedia

越前岬水仙ランドは、ナルキッソスにちなんで、全体的にギリシャ神話の雰囲気をイメージして作られています。
パルテノン神殿のようなギリシャ建築風の水仙の館やナルシスの丘などもぜひ楽しんでみてください。

ただし、水仙の名前の由来は「仙人は、天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙」という中国の古典に由来する説が有力とのことです。

冬の越前海岸に咲き乱れる水仙は美しくも儚げです。
悲しい言い伝えの多い水仙ですが、これらの伝説に想いを馳せながら、水仙を眺めてみてはいかがですか?

施設情報は以下でご紹介しています。

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