「翡翠の大珠(ひすいのたいしゅ)」下谷遺跡から出土 座間市内で初

翡翠製の垂れ飾りとみられる出土品

 座間市教育委員会は発掘調査を行った神奈川県座間市南栗原4丁目の下谷遺跡から「翡翠(ひすい)の太珠(たいしゅ)」が発見された、と発表した。翡翠製遺物の出土は市内で初めてという。

 市教委によると、市南部に位置する同遺跡は、目久尻川流域の台地上に形成された縄文時代中期の集落跡。翡翠の太珠は昨年9~11月の調査で、竪穴住居跡付近の深さ約1メートルの土中から土器片や石器とともに1個見つかった。長さ4.4センチ、幅1.8センチ、厚さ0.7センチで重さ11グラム。長円形で直径0.5センチ程度の穿孔(せんこう)がある。

 翡翠の原石は、国内では新潟県糸魚川市周辺など限られた場所で産出される。装飾用などの加工品は貴重で、県内の出土例も十数件と少ないという。

 12日には座間市教委の報告会が市内で開催され、担当した吾妻考古学研究所の浅賀貴広主任研究員が発掘の詳細や翡翠の流通ルートを紹介。浅賀さんは「穴にヒモを通して身に着けた垂れ飾りとみられる。周辺に大規模な集落があり、リーダー格の縄文人が物々交換で入手したと考えられる」と説明した。

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