京都の新型コロナ重症受入病院が共同声明「医療崩壊きたしかねない危機的状況」

 京都府内での新型コロナの重症患者を受け入れる役割を担う、14の基幹病院がそれぞれの病院長名で共同声明を発表した。現在すでに医療崩壊をきたしかねない危機的な状況であるとし、新規感染をおさえるためにGoTo一時停止にかかわらず、不要不急の外出自粛、会食自粛を呼びかけている。

「直ちにできる支援は、感染者を増やさないこと」

 京都府内の新型コロナ患者のうち、重症者を受け入れる臨床現場が警鐘のメッセージを発した。発表したのは京都大学医学部附属病院、京都府立医科大学付属病院、京都医療センターなど、府全域で重症者を分担して受け入れる「最後の砦」の14病院。

 それによると、第3波によりすでに感染症治療以外の医療が甚大な影響を受け、府内のどの救急医療機関も救急患者の受け入れに支障が出たり、予定していた入院・手術の延期も余儀なくされているという。また他地域での指摘同様、確保数として公表されているベッド数と、実際に運用可能なベッド数には乖離があり、事実としては重症患者が府内で30名(うち京都市内では15名)に達した場合、医療崩壊をきたしかねない危機的状況になると具体的に公表した(12月17日時点の府内の重症者数は8名)。

 その上で府民、国民に対し「今直ちにできる医療機関、医療従事者への最大の支援は、感染者を増やさないこと」とし、行政の Go To 政策にかかわらず、感染拡大が収まるまでの間、不要不急の外出や多人数での飲酒を伴う会食などを控えるよう協力を呼びかけている。

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