ダニのいない家はない?大掃除に「ダニ対策」を追加すべき理由

外出自粛やリモートワークなどで、家で過ごす時間がいつもよりも長くなった今年。

ダスキンが実施した「2020年末 大掃除実施意向調査」によると、今年大掃除をする予定だと回答した人は71.2%。昨年の大掃除実施率52.5%を大きく上回る結果となりました。

例年よりも多くの人がやる気を出している大掃除。エアコンやレンジフードの他に、今年は「ダニ対策」も加えてみてはいかがでしょうか。


ダニがいない家はない?ダニの好む場所

どの家庭にも必ず生息しているダニ(ヒョウヒダニ類)。0.2〜0.4mmと小さく、肉眼では確認しにくいため見過ごしやすく対策も怠りがちです。

ダニが好むのは人が長くとどまる場所。布団あるいは寝具、カーペット、布製のソファーなど、驚くほど身近な場所に生息しているのです。他にも「ダニは人のフケを好んで食べるので枕にも多く潜んでいます。またぬいぐるみなど、潜り込みやすいものにもダニが生息している可能性があります」。そう教えてくれたのは、研究開発のため7種類のダニを数億匹飼育しているというアース製薬・研究部の有吉 立さん。

処分せずに放置したままの段ボールも、ダニの住処になるので注意が必要です。特に今年は新型コロナ感染拡大の影響でネット通販を利用する機会が増え、段ボールが常に家にある状態の人も多かったのではないでしょうか。家庭にある段ボールは早めに破棄した方がいいといいます。

「ダニは高湿度を好むので、段ボールが湿気るとダニの温床になります。またダニ以外にも、段ボールにはダニと間違えられやすいチャタテムシやゴキブリが潜んでいる可能性も否定できません」

洗濯すればダニは退治できる?

放っておくと繁殖し増加していくダニ。ダニのフンや死骸はアレルギー性疾患を引き起こす原因(アレルゲン)となり、人にも被害が及びます。ダニを退治するためには、どんな対策をすればいいのでしょうか。

「シーツ、カバー、衣類、毛布やタオルケットなどについたダニの死骸やフンは、洗濯すればほぼ洗い流せます。ダニが卵から孵化して幼虫になるまでは約1週間。ですので1週間に1回洗っていれば、理論的にはゼロとなります」と有吉さん。また布団乾燥機もダニ対策に有効だといいます。

「ダニは高温に弱いので、60度で5分、50度で20〜30分で死滅します。取扱説明書に従って布団乾燥機のダニ退治機能を活用すれば、生きているダニを駆除できます。布団乾燥機の使用後は必ず、掃除機でダニの死骸を入念に除去しましょう」

洗えない場所はどうやって駆除する?

しかし、カーペットやソファ、マットレスなど、ダニが潜む場所は必ずしも簡単に洗えるものばかりではありません。洗えない寝具や家具などはどうしたらいいのでしょうか。有吉さんにダニ対策の手順を教えてもらいました。

「まずは、ダニ退治用スプレーを吹きかけて『生きたダニを駆除する』こと。そうしてダニを死滅させた後に『ダニのフンや死骸を掃除機でこまめに吸い取ること』が大切です。また、その後にダニ除けスプレーをしておくと万全でしょう」

ダニ退治用スプレーを使用する際、噴霧中は室内の風通しをよくし、噴霧する人以外の人やペットの入室は避け、噴射後カーペットやソファなどは表面が乾いてから使用するといった注意が必要です。

またダニ除けスプレーは専用の増殖抑制効果のあるものを。衣類や寝具に吹きかける消臭・除菌スプレーではダニを退治することはできません。適切な方法でダニが繁殖しにくい環境を作ることが何よりも重要だといいます。


在宅時間が長くなればなるほど、ダニのエサとなる人のフケやアカなどが溜まり、ダニにとって居心地のいい環境が整います。

日頃からこまめな洗濯と掃除で対策をしつつ、大掃除の際は普段なかなか手が回らないソファやマットレスなどに潜むダニを徹底的に退治して気持ちよく新年を迎えてはいかがでしょうか。

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