長崎県議会 核禁批准の意見書否決 コロナ対策費など補正予算案可決

 11月定例県議会は18日、最終本会議を開き、国に核兵器禁止条約の署名・批准を求める意見書を賛成少数で否決した。核禁条約の来年1月22日発効決定を受け、県内では長崎、大村両市議会と西彼長与、北松小値賀両町議会が同様の意見書を可決している。
 意見書は会派「改革21」の議員8人が連名で提出。▽唯一の戦争被爆国として一日も早く条約に署名・批准▽オブザーバーとして締約国会議と検討会議に参加▽締約国会議を最後の被爆地長崎で開催するよう働き掛ける-ことなどを求める内容だった。
 中村一三議員(自民・県民会議)が新型コロナウイルスに感染した影響で本会議を短縮したため、質疑・討論を省略。書面で説明、討論した。堤典子議員(改革21)は「核兵器の恐怖や非人道性を最も認識している立場から条約に参加し、核廃絶の議論に耳を傾け、核保有国に条約を敵視せずに対話せよと働き掛けるべき」と提案理由を説明した。
 堀江ひとみ議員(共産)は「被爆者の思いにこたえるためにも、一刻も早く核兵器を廃絶しなければいけない」として賛成討論。一方、山本啓介議員(自民)と宮本法広議員(公明)は「核なき世界」の実現へ思いは同じとした上で「意見書が求める趣旨は、現時点でのわが国の安全保障に影響することを含んでいる」「核廃絶に向けたアプローチが異なる」などとして反対討論した。
 本会議ではこのほか、クルーズ船の寄港制限などを明記した県港湾管理条例改正案や、新型コロナウイルス対策費などを盛り込んだ総額約217億8200万円の本年度一般会計補正予算案など計38議案と、意見書5件、請願3件を可決、採択して閉会した。

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