スーパーフォーミュラ・ライツ:第16戦はスタートを制した小高一斗が涙の初優勝

 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第16戦は12月20日、静岡県の富士スピードウェイで13周の決勝レースが行われ、3番手スタートの小高一斗(カローラ中京 Kuo TOM’S 320)がスタートでトップを奪い、そのまま優勝。嬉しいスーパーフォーミュラ・ライツ初優勝を飾った。

 気温2℃ほどという寒さのなか迎えた全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第16戦の決勝レース。天候は晴天で、さんさんと朝日が注ぐ中、8時10分からのフォーメーションラップのスタートを迎えた。

 2周のフォーメーションを経てのスタートとなっていたが、フォーメーションラップ中にルッカ・アレン(Albirex-RT)がダンロップコーナーでスピン。グリッドに戻る際に混乱があったことからスタートディレイとなり、ふたたび2周のフォーメーションが行われたことから、レースは2周減算の13周で争われることになった。

 スタートでは、2番グリッドの宮田莉朋(カローラ中京 Kuo TOM’S 320)が好発進。TGRコーナーへトップで入っていくが、小高一斗(カローラ中京 Kuo TOM’S 320)がさらにインへ。宮田はTGRコーナーでわずかにアウトに飛び出し、さらに宮田を避けようとポールポジションスタートの阪口晴南(Buzz Racing with B-MAX)もアウトにはらんでしまった。

 その2台のインを突き、一気にトップに浮上したのは小高。阪口、宮田、さらに河野駿佑(RS FINE K&N 320)と名取鉄平(TODA FIGHTEX)が続く展開となっていった。

 一方、オープニングラップの後方では波乱が。今回スポット参戦している本山哲(REBELLION Buzz 320)のリヤに山本左近(REBELLION Buzz 320)がヒットしてしまい、本山はリヤウイングを破損しストップしてしまう。さらにダンロップコーナーではオイルが出ていたようで、その影響があったか2周目、山本は13コーナーでスピンを喫してしまった。

 そんな混乱のなか、トップに立った小高は5周目には2秒ほどのリードを築く。また激しい戦いとなったのは、前日の第15戦でもバトルを展開していた河野と名取。名取は7周目のアドバンコーナーで河野をオーバーテイクするが、河野も翌周ふたたびインをうかがうなど、激しいバトルとなった。

 トップを走る小高には1秒程度のギャップで阪口、宮田が迫っていくが、前日まではペースに苦しんでいたものの、小高は最後までトップを譲らず。阪口に対し1.713秒のマージンを保ち13周を走りきり、念願のスーパーフォーミュラ・ライツでの初優勝を遂げることになった。

 レース後、タイムスケジュールの関係で表彰式はすぐには行われなかったが、記者会見で小高は「本当に2年間悩んで、レースを好きじゃなくなるくらい苦しかったです。チームや皆さんに支えてもらって、今回のレースで急にいろいろな運が回ってきて勝つことができました。ここで勝たなければ終わりだと死ぬ気で走って、トップで帰ってこられて、本当に良かったです」と涙をみせた。

 2位は阪口、3位は宮田。4位争いは名取に軍配が上がり、5位は河野、6位は入山翔(Albirex-RT)という結果に。マスタークラスはDRAGON(TEAM DRAGON SFL)が2周目にスピンを喫したこともあり、今田信宏(JMS RACING with B-MAX)がこちらも嬉しい初優勝となった。

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権

第16戦 決勝結果

Pos No Cls Driver Car Engine Laps Grid Qualify

1 37

小高一斗 カローラ中京 Kuo TOM’S 320 トヨタ-トムスTAZ31 13 3 1’32.294

2 50

阪口晴南 Buzz Racing with B-MAX スピースA41 13 1 1’31.543

3 36

宮田莉朋 カローラ中京 Kuo TOM’S 320 トヨタ-トムスTAZ31 13 2 1’31.564

4 2

名取鉄平 TODA FIGHTEX 戸田TR-F301 13 5 1’32.926

5 35

河野駿佑 RSFINE K&N 320 トヨタ-トムスTAZ31 13 4 1’32.638

6 5

入山翔 Albirex-RT 東名TB14F3 2020 13 7 1’33.221

7 3

L.アレン Albirex-RT 東名TB14F3 2020 13 6 1’33.200

8 52

山本左近 REBELLION Buzz 320 スピースA41 13 8 1’33.801

9 51 M 今田信宏 JMS RACING with B-MAX スピースA41 13 10 1’34.207

10 10 M 植田正幸 Rnsports320 スピースA41 13 11 1’34.268

11 30 M DRAGON TEAM DRAGON SFL スピースA41 13 12 1’34.479

R 13

本山哲 REBELLION Buzz 320 スピースA41 0 9 1’33.992

ファステストラップ:宮田莉朋(カローラ中京 Kuo TOM’S 320) 1’32.223 (6/13)

スタートで競り合う宮田莉朋(カローラ中京 Kuo TOM’S 320)と阪口晴南(Buzz Racing with B-MAX)
スタート直後に競り合う小高と阪口、宮田
阪口晴南(Buzz Racing with B-MAX)と宮田莉朋(カローラ中京 Kuo TOM’S 320)
河野駿佑(RS FINE K&N 320)
スーパーフォーミュラ・ライツ第16戦を制した小高一斗(カローラ中京 Kuo TOM’S 320)
スーパーフォーミュラ・ライツ第16戦を制した小高一斗(カローラ中京 Kuo TOM’S 320)と山田淳監督
マスタークラスを制した今田信宏(JMS RACING with B-MAX)

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