エンゼルスの有望株・アデル 来季はマイナーで開幕か

球界有数の有望株として大きな期待を背負ってメジャーデビューしたジョー・アデル(エンゼルス)は攻守両面で実力不足を露呈し、期待外れのシーズンを過ごした。今季132打席を記録したため新人王資格を喪失したアデルについて、ジョー・マドン監督は「彼にはマイナーで過ごす時間がもう少し必要だ。それは間違いない」と語っている。マイナー最上位のAAA級でのプレー経験が27試合しかないアデルは、さらなる実力アップのため、来季の開幕をマイナーで迎えることになりそうだ。

現在21歳のアデルは今年8月4日(現地時間)にメジャーデビュー。チームの正右翼手として38試合に出場したが、打率.161、3本塁打、7打点、OPS.478、7四球に対して55三振とメジャーレベルの投手に全く適応できず、右翼の守備でも守備防御点-4と精彩を欠いた。そもそも今季はマイナーリーグのシーズンが開催されないという特殊な事情があり、アデルの時期尚早なメジャー昇格はその影響。例年通りにマイナーリーグのシーズンが開催されていれば、アデルはシーズンの大半をAAA級で過ごしていたことだろう。

アデルをマイナーでプレーさせるのであれば、エンゼルスはアデル再昇格までの「つなぎ役」として外野手を補強する必要がある。左翼にジャスティン・アップトン、中堅にマイク・トラウトが入るのは確実だが、40人枠内の外野手はこの2人とアデルのほかに、テイラー・ウォードとブランドン・マーシュの2人だけ。マーシュはまだメジャーデビューしておらず、今季34試合に出場して打率.277、0本塁打、OPS.716だったウォードに右翼のレギュラーを任せるとしても、彼のサポート役となる控え外野手が必要だ。

今年9月に大ブレイクしたジャレッド・ウォルシュを一塁から右翼に回すことも可能だが、強打者へ変貌しつつあるウォルシュは一塁で打撃に専念させてあげたいところ。投手補強が急務のエンゼルスだが、ペリー・ミナシアンGMはどんな補強を見せてくれるだろうか。

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