「いつ誰が感染するか」 県内コロナ23人 「第3波」に不安

 東京、大阪など大都市を中心に新型コロナウイルス感染の「第3波」が押し寄せる中、長崎県内でも20日、1日当たりの感染者発表数が夏場の過去最多に並ぶ計23人に上った。「いつ誰が感染するか分からない」。県民は警戒感を一層強めた。
 入院患者3人の感染が確認された西海市西彼町の長崎セント・ノーヴァ病院は、ホームページで経過や対応を公表した。「ご迷惑をおかけし大変申し訳ございません。一刻も早い安心と安全の回復に努めます」とのコメントを出し、外来患者や訪問患者への電話連絡に追われた。
 同病院の外来に通う西海市内の80代男性は「都市以外にも第3波が広がってきたようで不安。今まで以上に手指消毒などに気を付けたい」と気を引き締めた。
 佐世保市は、市議や小中学校関係者を含む過去最多7人の感染を発表した。4校が21~24日まで臨時休校する。小学生の子ども2人を育てる自営業の女性(41)は「感染経緯が分かるまで外出は控えないといけない。仕方ないことだが、もうすぐ冬休みなので子どもが気の毒」と話した。
 長崎市は1日当たり過去最多と同じ計12人の感染を発表。長崎大4年、米田沙梨奈さん(23)は卒業論文の現地調査を県内外で予定しており、「思うように進められず不安。完成しないと卒業できない」と懸念する。アルバイト先の近くではクラスターが発生。年末は福岡県の実家へ帰省する予定だったが、80代の祖父母を気遣い帰省を見送った。「いつ誰が感染するか分からなくなってしまった。今年は地元に帰れない」と肩を落とした。


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