大砲・ギャロについて難しい選択を迫られるレンジャーズ

レンジャーズは今オフ「売り手」に回っていることが明確なチームの1つである。ジョン・ダニエルズ編成本部長はチーム再建に向けて年俸総額の削減を進めており、すでにエース右腕のランス・リンをホワイトソックス、クローザーのラファエル・モンテロをマリナーズへ放出。今後さらなる主力選手の放出が行われる可能性もある。そんなレンジャーズにおいて、次なるトレード候補に挙げられているのが2017年から2年連続で40本塁打以上を放った大砲ジョーイ・ギャロだ。

リンは1年後のオフにFAとなるため、来季のレンジャーズが上位争いに加わる可能性がほとんどないことから明確なトレード要員となっていた。また、モンテロはあと2年保有できる状態だったものの、すでに30歳。再建を含めたチームの長期計画にフィットしない選手であるため、ダニエルズは放出するという判断を下した。ギャロも2年後にFAとなるが、まだ27歳。レンジャーズには様々な選択肢がある。

そもそもギャロをトレードするにしても、2019年は故障により70試合しか出場できず、今季は打率.181、OPS.679というレギュラー定着後最悪の成績に終わったため、放出のベストのタイミングとは言えない。安売りするくらいなら復調するまでキープしておき、適当なタイミングでトレードするのが得策だろう。

また、ギャロが復調してオールスター・ゲームに選出された2019年前半戦のような活躍(打率.275、20本塁打、OPS1.060)を見せるようであれば、FAになる前に契約を延長してしまうという手もある。ギャロはまだ27歳のため、チーム再建に3~5年を要したとしても主力でいられる年齢であり、来季前半戦の活躍次第では契約延長が検討される可能性は十分にある。

買い叩かれることを覚悟で放出してしまうのか、キープしたままFAを迎えるのか、あるいは再建完了後の主力として長期契約を結ぶのか。ダニエルズは難しい選択を迫られている。

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