令和最大の負債総額、自動車部品製造のダイヤメット(新潟)が民事再生

 (株)ダイヤメット(TSR企業コード:203053605、法人番号:7110001008388、新潟市東区小金町3-1-1、設立2005(平成17)年12月、資本金117億5000万円、鶴巻二三男社長)と、子会社の(株)ピーエムテクノ(TSR企業コード:200320041、法人番号:1110001005069、同市東区平和町14、設立2000(平成12)年2月、資本金5000万円、竹村年社長)は12月21日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。申請代理人は進士肇弁護士(篠崎・進士法律事務所、東京都港区西新橋1-7-2、再生推進室025-275-0110)。
 負債は、ダイヤメットが約577億9000万円、ピーエムテクノが約26億700万円で、2社合計約603億9700万円。

 ダイヤメットの負債総額は(株)ホワイト・ベアーファミリー(TSR企業コード:570615267、法人番号: 6120001070371、大阪市北区、負債278億円)を上回り今年最大。また、令和に入っても(株)AWH(TSR企業コード:440154561、法人番号: 8080101000116、沼津市、負債400億円)を上回り、最大となった。
 ダイヤメットは、三菱マテリアル(株)(TSR企業コード:291022669、法人番号:6010001023786、東京都千代田区)の子会社として設立。粉末冶金法を用いた焼結機械部品、焼結含油軸受、軟磁性材部品、その他の粉末冶金製品などの製造を手掛け、自動車向け部品を主体とし、ピーク時の2008年2月期には売上高約267億6500万円を計上していた。
 しかし、その後は自動車向け需要の緩やかな縮小を背景に減収で推移し、2020年3月期(決算期変更)には売上高が約200億6700万円にまで落ち込んだ。この間、2016年には不適合製品の出荷等に関する問題が発生し、その対応と体制整備に多額の費用を投じたこともあり、2017年3月期以降は大幅な赤字計上が続き、債務超過に陥っていた。
 親会社の追加出資などで資金支援を受けていたが、2020年9月には三菱マテリアルが、エンデバー・ユナイテッド(株)(TSR企業コード:300145713、法人番号:8010001153111、東京都千代田区)の組成するファンドに全株式の売却を発表、12月に株式が譲渡されるとともに、当社の役員も刷新していた。しかし、多額の金融債務を抱えるなかで自力再建は難しいとの判断から、今回の措置となった。

 ピーエムテクノは、ダイヤメットの生産子会社として設立され、自動車用焼結部品の製造を手掛けていた。しかし、ダイヤメットと一体の経営であったことから、連鎖した。

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