長崎県佐世保市島地町の佐世保独楽(こま)本舗で、来年のえと「丑(うし)」が描かれた佐世保独楽作りがピークを迎えている。「牛のように、一歩一歩進んでいく新年に」。そんな願いを込め、職人がこまに表情を吹き込む。
県指定伝統的工芸品。長く回ることから、長寿や健康を願う縁起物として親しまれている。
3代目山本貞右衛門さん(62)がブナ科の広葉樹、マテバシイをこまの形に削り、妻由貴子さん(62)と長女優子さん(31)が黒や赤、白色などで丁寧に絵付けしていく。
今年は新型コロナウイルスの影響で、来店などが難しい日々が続いた。それでも、なじみ客からの「落ち着いたら必ず行くよ」との連絡に励まされた。「お客さんに助けてもらった1年でした」と由貴子さんはしみじみと語る。
由貴子さんによると、恒例の1月のこま回し大会については延期を決定。感染状況を見ながら、開催時期を探るという。
丑のように一歩一歩 願い込めて佐世保独楽
- Published
- 2020/12/22 23:31 (JST)
- Updated
- 2020/12/24 17:11 (JST)
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