長崎県内にコロナ警戒警報 長崎の3病院6人感染 23日

警戒警報発令に伴う長崎県の要請

 長崎県内で新型コロナウイルスの感染が拡大している状況を受け県は23日、対策本部会議を開き、5段階の感染ステージを「2」(感染者の漸増)から「3」(増加・拡大)に引き上げ、県内全域に警戒警報を発令した。中村法道知事は臨時の記者会見で、感染拡大地域への訪問は改めて必要性を検討し、飲酒を伴う会食は控えるよう呼び掛けた。

県内の感染拡大状況を説明する中村知事=県庁

 同日公表された県内の感染者は長崎市9人、佐世保市2人、西彼長与町1人の計12人。長崎市の9人のうち6人は病院関連で、日赤長崎原爆病院と虹が丘病院の職員各1人、井上病院の入院患者4人。4人のうち1人は西彼時津町の長崎北病院に転院する際に感染が分かった。県内の感染者は計457人となった。
 県によると、22日現在、感染段階を判断する6指標のうち感染者の1週間の新規報告数がステージ「3」の90人以上を上回る112人となるなど、4指標で「3」の基準を超えた。12月に入って感染の初発事例47人のうち県外関連が3割超の16人、飲食店関連が5割弱の22人。濃厚接触者らを含む173人の感染発生場面は、夜の街関連が5割弱の81人、福祉施設や医療機関が2割の36人だった。
 知事は「感染状況は予断を許さない。なんとしても危機を乗り越えるよう感染拡大防止に全力を注ぎたい」と述べた。その上で▽家族以外の5人以上の飲食を伴う会食を控える▽感染拡大地域からの帰省は健康状態を見極めた上で慎重に判断する▽感染者らへの差別や誹謗(ひぼう)中傷は厳に慎む-ことなどを呼び掛けた。

県内のステージ判断指標の状況

 このほかクラスター(感染者集団)が発生した長崎市中心部の飲食店従業員を対象とした無料のPCR検査の結果も報告。検査を受けた1485人のうち9人が陽性だった。

新型コロナウイルス感染者の入院状況(22日午後7時現在)

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