わがまち回顧2020 五島支局 先端技術で実証事業 

遠隔医療の実証事業で、画面に映る医師の診察を受ける住民(右)=五島市三井楽町、嵯峨ノ島

 人口減や高齢化が進む五島市で、生活環境の維持に向けた取り組みが本格化した。特に、暮らしの基盤となる「医療」と「移動」の分野では、先端技術を活用した実証事業が続いている。
 常駐の医師がいない嵯峨ノ島では、ビデオ通話での診療や服薬指導、ドローンなどによる処方薬輸送を組み合わせた「遠隔医療」を実施中。島民は島を出ずに済み、負担軽減や利便性向上につながる。政府もオンライン診療の推進を目指す中、他の二次離島や福江島のへき地などでの実用化にも期待がかかる。
 移動分野では、公共交通が利用しづらい富江半島地区で、人工知能(AI)がルートなどを管理する乗り合いタクシー事業が始まった。約380人が登録し、1日当たり20人弱が利用。高齢者には買い物や通院に欠かせない「足」で、市は他地区での導入も検討する。
 今年、2年連続の人口社会増(転入超過)を視野に入れる五島市。地元住民の生活を守る姿勢こそが島外流出を防ぎ、移住の促進にもつながる。
 主なニュースは▽カネミ油症50年記念誌発行▽五島日本語学校開校▽市長選で野口市太郎氏が3選▽台風9、10号襲来▽県中学駅伝で福江女子が初優勝▽五島版RE100創設へ動き▽「五島まちゼミ」「五島子どもサミット」「絶景福江島マラニック大会」がそれぞれ初開催。


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