甘酸っぱく爽やか どぶろく発売 諫早・杵の川

「長崎どぶろく」(左)と「長崎出島ジン DENNOSHIN1812」=諫早市、杵の川

 長崎県諫早市土師野尾町の酒造会社、杵の川(瀬頭信介社長)は21日、さまざまなジャンルの料理に合うどぶろく「長崎どぶろく」(500ミリリットル1100円)の販売を開始した。
 純米吟醸酒などに使用する等級米以外の酒米も、無駄なく使用し付加価値の高い酒とするため、全国的などぶろく人気を背景に開発した。甘めが好まれる地元で受け入れられやすいよう、瓶詰め後に2次発酵させて甘みを増し、微発泡性の甘酸っぱく爽やかな味わいに仕上げた。特に肉料理などに相性が良いという。
 昨年6月に福岡県の企業と共同開発したリキュール「長崎出島ジン DENNOSHIN1812」(510ミリリットル2970円)も、全国から注目を集める。
 江戸時代後期の1812年、長崎奉行所の役人だった茂伝之進(しげでんのしん)が、オランダ商人に祖国をしのんでもらうために作ったとされる、日本で初めてのジンの味わいを再現した。ジン独特の香りのもととなるジュニパーベリー(針葉樹ネズの実)を通常の3倍使用し、カステラに使用するザラメ糖を漬け込んだ甘めの味わいで、ウイスキーを思わせる琥珀(こはく)色。トニックウオーターやソーダで割ると甘い香りや深い味わいが際立つ。
 瀬頭社長は「新たな挑戦は日本酒造りにも生かせる。コロナ禍で暗然たる皆さんの心を癒やす一助になれば」と話した。
 商品はいずれも同社ギャラリーのほか、オンラインショップなどで購入できる。

瀬頭信介社長

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