長崎ランフェス全面中止 安全面の確保困難 長崎游泳協会 稽古始め式も

来年の開催中止が決定した長崎ランタンフェスティバル(写真は今年の様子)

 長崎市などでつくる長崎ランタンフェスティバル実行委は24日、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、来年2月12~26日に市内で開催予定だった同フェスティバルを中止すると発表した。実行委は11月、「皇帝パレード」など主要イベントは実施しないものの、ランタンやオブジェは設置して開催すると発表していたが、感染拡大防止の観点から安全面の確保が困難と判断。ランタンなども含め全面的に取りやめることにした。
 長崎の冬の風物詩として定着した同フェスティバルの中止は1994年の第1回以来、初めて。市内で会見した実行委の張仁春企画幹事長(64)は苦渋の表情で「100年続く祭りを目指してきたので、断腸の思い。再来年に向け、開催方法を検討していきたい」と語った。既に購入済みだったオブジェは、再来年に披露したい意向を示した。
 同フェスティバルは、中国の旧正月に合わせ新地中華街で開いていた春節祭に由来。例年、約1万5千個のランタンが市中心部を彩り、市民や観光客の人気を集めている。新型コロナの影響でクルーズ船の入港キャンセルや、中国から出演予定だった芸術団の公演中止が相次ぐなどした今年の集客は、前年比約42万人減の約56万人だった。
 一方、同市のNPO法人長崎游泳協会(田中直英理事長)も24日、新型コロナの感染拡大に伴い、来年1月3日に小瀬戸町の皇后島(通称・ねずみ島)で予定していた伝統の稽古始め式の中止を発表。立ち泳ぎをしながら、長崎開港450周年を祝う文字を披露する予定だった。


© 株式会社長崎新聞社