「高齢者と手作り昼食で交流」善行表彰 諫早農高

高齢者と一緒に手作り昼食を楽しむ諫早農業高生=諫早市内(同校提供)

 調理実習で作った昼食を持って近隣の1人暮らしの高齢者宅を訪問し、食事を楽しむ交流活動を続けている長崎県諫早市立石町の県立諫早農業高生活科学科が、社会福祉に貢献したとして、一般社団法人日本善行会(東京)から善行表彰を受けた。
 1995年から取り組み、学校の農場で育てた野菜や米、卵を使った料理も好評。高齢者と一緒に食べる時間はコミュニケーションや礼儀を学ぶ機会にもなっている。
 訪問する高齢者宅は12軒。生徒は2年生の1月から3年生の12月までの1年間、担当を決め、月に一度、グループで訪ねている。訪問を楽しみに待つ高齢者も多いという。
 同法人は年に2回、社会貢献があった個人や団体を表彰。同校生活科学科が受けた本年度春季表彰では全国で83人・45団体を選んだ。春季と秋季合わせて、秋に明治神宮で表彰式が予定されていたが、コロナ禍で中止となったため、県庁で今月17日、伝達表彰を受けた。
 3年の坂口真菜さん(18)は、「日ごろ勉強している調理や裁縫の技術を生かし、高齢者を支えることができるのが喜び。先輩たちから受け継いだ取り組みでもらえた表彰なので、後輩にもしっかり伝え、地域の輪を広げたい」と喜びを語った。

表彰を喜ぶ諫早農業高生活科学科の3年生=諫早市、同校

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