長崎県初の最優秀賞 高校生が競う「弁論の甲子園」

最優秀賞を受賞した井本さん=佐世保市、九州文化学園高

 「弁論の甲子園」と呼ばれる福澤諭吉記念第59回全国高等学校弁論大会で、長崎県佐世保市の九州文化学園高2年、井本志帆さん(17)が最優秀賞を受賞した。本県の高校生の受賞は初めて。
 同大会は、福澤諭吉ゆかりの地である大分県中津市の主催。弁論力を重視した諭吉の教えを継承しようと1962年から毎年開催。全国トップレベルの大会と位置付けられている。
 今月4日、同市で開かれた大会には、事前の原稿審査を通過した全国の高校生27人が出場。論旨と総合感銘度を競った。
 井本さんは、福岡県の戦争体験者の話を聞いたり、長崎市の長崎原爆資料館を訪れたりしたことなどを通じ、戦争の苦しみや原爆の影響が「まだ続いている」と主張。戦争体験者が減少する中、戦争を知らない若い世代が平和のために「当事者」となって行動し、伝えていく必要性を訴えた。
 1年生の時からさまざまな弁論大会に挑戦し、好成績を残してきた井本さん。「自分の考えを多くの人に伝えられるのが弁論の魅力。今後もさまざまな大会に出場して入賞を目指したい」と語った。

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