カラフルな海の生き物、校舎を泳ぐ 横浜市立小の児童が壁画アート

完成した作品を前に笑顔のロコさん(左奥)と4年1組の児童たち=横浜市立幸ケ谷小学校

 横浜市立幸ケ谷小学校(同市神奈川区)の4年生132人が制作した壁画アートが12月に完成した。12年前に創立80周年記念の壁画を描いた市内在住のアーティスト、ロコ・サトシさんと共に、国道15号沿いの校舎の外壁をキャンバスに見立てて、海の生き物などを色鮮やかに描いた。

 海から近い立地の同校は毎年、4年生が海について学んでいる。今年の学習の中で、学校のシンボルであるロコさんの壁画にさまざまな海の生き物が描かれていることに気付き、「ロコさんと一緒に壁画を作りたい」と声が上がった。

 4年生からの提案を受けた高根順校長(59)は、12年前の作品の修復と、新作の制作をロコさんに依頼。作業前日には同校児童の父親らでつくる「おやじの会」が外壁を洗浄するなど保護者も協力した。

 新作は旧作の隣の壁で、高さ約2メートル、幅約20メートル。ロコさんが描いた「クジラ」や「太陽」「月」「星」のモチーフを七色の「虹」でつなぎ、ロコさんから特別授業を受けた児童がペンキを使って海の生き物などを自由に描いた。

 参加した細野洋世君(10)は「ロコさんと描けて楽しかった」、錦織千穂さん(10)は「海を大切にしていきたい」と感想を述べ、高根校長は「気持ちが明るくなる作品ができた。地域の人たちと交流もでき、子どもたちの一生の思い出になるだろう」と話した。ロコさんも「塗り替えて新しく生まれ変わった作品にも出合え、野外で描く楽しさをたくさんの人に伝えられた」と充実した表情を見せた。

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