島鉄最後のSLきれいに 島原市地域おこし協力隊

C12を清掃する参加者。後方は走行する島鉄車両=島原市、霊丘公園

 新年を前に、島原鉄道関係者や市職員ら約20人が27日、長崎県島原市弁天町2丁目の霊丘公園に展示されている島鉄最後の蒸気機関車(SL)「C12」を清掃した。
 清掃活動は、観光活性化に関する業務を担当する市地域おこし協力隊員の上田友さん(46)が発案。一昨年から実施している。
 保存されているC12は、島鉄が導入した同型5両のうちの1両で1971年に市に寄贈。48年製で長さ11.35メートル、幅2.85メートル、高さ3.9メートル、重量50トン。島鉄がディーゼル車に切り替えた68年までの約20年間で85万3千キロ超を走行した。
 参加者は、1年間に積もったほこりや枯れ葉などをほうきで掃いたり、コケを洗浄したりして丁寧に汚れを落とした。風雨にさらされくすんでいたボディーは、正月飾りも取り付けられ輝きを取り戻した。上田さんは「C12は当時の島鉄関係者が、未来の子どもたちのために残してくれた貴重な財産。感謝を込めて掃除し、先人の思いを後世につなぎたい」と話した。

© 株式会社長崎新聞社