横浜市がみなとみらい21(MM21)地区の運河に建設中の歩行者デッキ「女神橋」が28日、階段利用に限定して開通した。橋のかさ上げに伴う追加工事が続いているため、メインの通りとなるスロープ部分は工事中で、全面開通は当初予定から7カ月遅れの来年2月末にずれ込む見通し。
市によると、臨港パークと新港ふ頭の水際線を結ぶ女神橋(全長約75メートル、幅員約6メートル)は車いすやベビーカーなどの利用に配慮した緩やかな勾配が特徴で、スロープを含め7月末の開通を予定していた。
しかし、橋桁を取り付けた3月、中央部の桁下高が上流に架かる国際橋の4.2メートルより低く、観光船が通れないことが判明。橋をかさ上げして、スロープも造り直すことになった。
この日はスロープの工事中のため、セレモニーや記者発表もせず、ひっそりと〝一部開通〟。愛犬を連れて散歩中の50代女性は「この日が待ち遠しかった。毎日使います」と笑顔を見せたが、近くに住む男性会社員(46)は「財政が厳しい中、かさ上げでどれだけ事業費が追加されるか分からない。市はメンツばかり重んじて誰も責任を取らないのはおかしい」と話した。
段階的な供用開始について、工事を担当する市港湾局の齋藤愼太郎建設第一課長は「中野裕也局長が市会で『年内の供用を目指す』と答弁したので、何とか(年内に)間に合わせた」と説明。「ベビーカーや車いすなどの方は、バリアフリー対応となっていないので国際橋を利用してほしい」としている。