田中恒成はコロナ禍も仲間の協力で「最高の調整できた」 WBO世界スーパーフライ級王座戦で井岡一翔に挑戦

田中恒成

大みそかに東京・大田区総合体育館で行われるボクシングのWBO世界スーパーフライ級タイトルマッチの予備検診が29日に都内で行われた。2度目の防衛戦となる王者の井岡一翔(31=Ambition)に勝てば世界最速の4階級制覇となる挑戦者で同級1位の田中恒成(25=畑中)はコロナ禍のために過去最高の調整ができたことを明かした。

11月の対戦発表の会見は両者は日にちもずらして会見した両者。この日は試合に向けて初めて顔を合わせる機会となり、グローブチェックではソーシャルディスタンスをとった上で向かい合ったが、ともに落ち着いた表情だった。

「最高の準備ができたので、楽しみです」と田中が笑顔を交えながら話せる裏にはジムの仲間の協力があった。

新型コロナウイルスの感染予防策として、ジムは先月中旬から田中本人と、直接関わるスタッフ以外に人間はすべて出入りを禁止した。

通常でも冬場の調整はインフルエンザ対策でナーバスになるもの。それが今回は他の選手や練習生との接触が皆無になったことで、知らないうちにウイルスを持ち込まれるリスクはなくなった。

練習時間も他の選手との兼ね合いを気にする必要がないので、好きな時に好きなだけできる。

それもジムメートの協力があったからこそできたこと。田中はこのことに感謝をしつつ「〝チーム〟が一丸となったことで、逆に(コロナ禍でも)一番いい環境で調整することができた」と話した。

WBOではミニマム級からフライ級までの3階級制覇を達成。一翔に勝てば世界最速の16試合目での4階級制覇となる。

新型コロナウイルスの感染拡大前の1月にフライ級王座を返上。Sフライ級での前哨戦を挟んで4階級制覇に挑む青写真だったのが、いきなり世界戦となったことを不安視する向きもあるが本人はこれを一蹴。

「減量を含めて、かなり良くできた。体調が全然違う。間違いなく今までで一番いいパフォーマンスができる」と言い切る。

1か月超に渡って最高の練習環境を作ってくれた仲間の後押しを受けて、決戦のリングに上がる。

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