西武の主砲・山川穂高内野手(29)が不本意なシーズンを終え、新たな取り組みに動き出している。
2020年は右足首ねんざの影響もあり打率2割5厘、24本塁打、73打点と数字を下げ、3年ぶりの無冠で終了。今オフは故障個所の治療と平行して「打席での集中力、邪念を払う部分を意識しないといけない」と合気道の師範に弟子入りした。尊敬する王貞治ソフトバンク取締役会長、落合博満氏ら「超一流」の練習方法から導き出したひとつの方法論が今回、武道からのフィードバックだったが、もともと常に自分で考えて実行に移す行動力を持っている。
その原点は山川の沖縄・中部商時代にさかのぼる。「僕の高校は練習をする学校じゃなかった。僕以外の人は練習をしなかった。でも、その環境にいたから自分でやらなきゃと思って、ああでもない、こうでもないと考えて引き出しを増やしてきた」と振り返り「森なんかは大阪桐蔭で逃げられないキツイ練習をしていたからというのもあるし、指導者から仕向けられていたということもある。でも、僕はそれだとチーム力は上がるけど、個人の能力は上がらないと思うタイプ。やれと言われたこと以外のことを考えてやるから引き出しはできてくる。(プロのレベルでは)それが一番大事だと思う」と話す。
2年連続本塁打王から転落したからこそ、今の自分に足りないことを追及。考えて出したヒントが今回は合気道だったというわけだ。遠回りすることが実は一番の近道。山川の〝逆襲〟に注目だ。