発熱時はまず電話を 「受診・相談センター」で24時間対応 長崎県など呼び掛け 年末年始の救急医療

発熱時はまず電話を

 長崎県内の新型コロナウイルス感染が拡大する中で迎えた初の年末年始。医療機関の休診が増えるため、関係機関が連携して、地域ごとに新型コロナ対応を含む救急医療態勢を整えて乗り切る構えだ。医療機関で感染発生が相次いでおり、関係者には緊張感が漂う。県などは、発熱などの症状がある場合、24時間対応の「受診・相談センター」(電0120.409.745)などに電話するよう呼び掛けている。

 「うちにもいつ(新型コロナ感染者が)来るか分からない。年末年始は態勢を整えるのも非常に厳しく、危機的状況だ」。長崎市のある救急病院の幹部は、市内の医療機関で感染発生が相次ぐ現状を懸念する。コロナ禍の長期化に伴い、医師、看護師の人員確保にも苦労しており「対応は限界に近い」と話す。
 発熱などの症状がある人については現在、かかりつけ医など最寄りの診療所に電話相談してもらい、対応可能な診療・検査医療機関につなげている。かかりつけ医がないなどの場合、受診・相談センターに電話する仕組みだ。
 休日の救急医療については、比較的軽い初期救急に、一部の市が運営する急患センターや、12郡市医師会ごとの在宅当番医などが対応。入院や手術が必要な2次救急は、持ち回り制の輪番病院などが担当している。年末年始も基本的に同様の対応となっている。
 県医師会は各郡市医師会と年末年始の態勢を確認。「各地域で発熱者の受け入れと、ある程度の検査が行えるよう態勢が整えられている」としている。長崎市の開業医の一人は「患者には休診中も何かあれば電話するよう伝えており、対応するつもり」と話す。
 県医師会によると、長崎市では感染拡大を受け、診療・検査医療機関の依頼で感染有無を調べる「ドライブスルー検査」を急きょ、年末年始も実施することにした。市地域医療室によると、市内の輪番病院の一部で感染が発生しており、他の輪番病院などがカバーして態勢を維持している。
 新型コロナ感染者の増加から28日、対策段階を「フェーズ4」に引き上げた佐世保市では、市立急病診療所が31日~1月3日、発熱患者の対応のために外科診療を休止する。
 発熱などがない状態で在宅当番医などを受診する際も、電話してからの受診が勧奨されている。県医療政策課は「年末年始に体調が悪くなった際の対応について、あらかじめ確認しておいてほしい」としている。


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