【取材のウラ側 現場ノート】新型コロナウイルスの影響でサッカー日本代表の活動が中断していた7月、A代表と東京五輪代表を率いる森保一監督(52)にオンラインでインタビューした際、こんなことがあった。
指揮官の本音に触れる絶好の機会。それだけに、当時は再開が不透明だった代表活動の計画、東京五輪の延期、大きな注目を集めるMF久保建英(19=ビリャレアル)やMF南野拓実(25=リバプール)への期待など聞きたいことが山ほどあり、インタビューの予定時間が大幅に過ぎてしまった。
「時間が押してしまい本当に申し訳ありませんでした」と謝罪して記者がインタビューを終わらせようとしたら、森保監督が「ちょっと待ってください。あと10分いいですか?」とまさかの〝アディショナルタイム〟を要求してきた。
そこからはオフレコという約束なので詳しい内容は伏せるが、森保ジャパンのこれまでの試合を振り返りながら記者のほうが森保監督から質問を受けて見解を述べる形に。采配やメンバー選考などについて議論を交わし、アディショナルタイムは10分どころか20分近くに及んだ。
「私の考えを話すだけでなく皆さんの考えも聞きたいし、議論したいんです」と森保監督。普段から選手とも対話を重視する指揮官の熱い姿勢を実際に体感できる貴重な時間となった。
真面目で熱血漢の指揮官が来夏の東京五輪、そして2022年カタールW杯で躍進する姿を期待している。
(サッカー担当・渡辺卓幸)