カブスは来季も地区優勝を目指す 大規模なチーム再建は回避へ

カブスはサイ・ヤング賞投票で2位にランクインしたダルビッシュ有をパドレスへ放出したが、大規模なチーム再建を行うつもりはないようだ。ジェッド・ホイヤー編成本部長は「来季も競争力を維持できるかと聞かれたら、間違いなくできる」と語り、来季も地区優勝を目指すつもりであることを明言。その一方で「直近6シーズンと同じような明るい未来を築けるようにマイナー組織を充実させていく。それが我々の目標だ」とチームの将来にも目を向けている。

カブスはダルビッシュと控え捕手のビクトル・カラティーニをパドレスへ放出し、今季リーグ2位タイの7勝を挙げたザック・デービースと有望株4人を獲得。4人の有望株はいずれも20歳以下の選手であり、メジャー昇格には少し時間がかかるものの、ダルビッシュの穴を埋める即戦力としてデービースを獲得していることが来季の地区優勝を諦めていない何よりの証だろう。

ホイヤーは「我々が2011年や2012年に行ったような大規模なチーム再建と同じ道を歩むつもりはない。そのやり方は愚かだと思っている。同じやり方で再建したチームはいくつもあるけど、すべてが上手くいったわけではないからね」とコメント。数年規模のチーム再建に着手する可能性を否定する一方、ヤンキースやレッドソックスのように戦力の一部を「リセット」しつつも競争力を維持するやり方でチーム編成を進めていくつもりであることを明らかにした。

先発ローテーションからはダルビッシュが抜けたものの、今季リーグ7位の防御率2.88をマークしたカイル・ヘンドリックスは健在。このヘンドリックスとデービースが2本柱となり、今季ノーヒッターを達成したアレック・ミルズと成長株のアドベルト・アルゾレイも先発ローテーション入りが有力だ。ジョン・レスター、ホゼ・キンターナ、タイラー・チャットウッドの3人がフリーエージェントとなったため、ローテ5番手の人材を欠いているが、レスターとの再契約を検討していることが報じられている。

競争力の維持とマイナー組織の充実を両立しようとしているカブスの狙いは上手く機能するのか。ホイヤーの手腕に注目したい。

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