絶景の多喜山城でご来光、迎春グルメは近江牛の鴨ダシ「極上ちゃんこ」を!【滋賀県栗東市】

NHK大河ドラマ「麒麟が来る」の舞台として大いに盛り上がっている滋賀県。主人公・明智光秀の坂本城があった大津市から電車で20分ほど東へ向かうと、栗東(りっとう)市があります。今回は、この地に残る、織田信長により築城されたのでは、といわれる「多喜山城」跡と、そこから近い近江牛グルメスポットをご紹介します。

織田信長と南近江の覇者・六角義賢(承禎)

滋賀の琵琶湖沿いといえば、歴史ファンにとっては見逃せないエリア。滋賀県には中近世にかけて1300を超える城郭が築かれています。明智光秀の坂本城、織田信長の安土城、羽柴(豊臣)秀吉の長浜城・・・しかし、誰もが知る有名史跡だけではつまらない!そんな歴史好きのために、知る人ぞ知る謎いっぱいのスポットがあります。

1560年代、信長が足利義昭(室町幕府将軍)とともに上洛を目指し美濃から南下しようするのを阻止したのが、南近江の守護大名、六角氏でした。六角氏を駆逐するために、信長が、家臣・佐久間信盛に築かせたのではないかといわれているのが「多喜山城」です。

山頂に立てばわかる要衝の地

多喜山城跡は六地蔵日向(にっこう)山の山頂(222.9m)にあります。ここに登ってみました。参道は整備されていて721段の階段が設けられており、頂上までは所要15~20分。途中に2か所の休憩スポットがあるので、少し頑張れば大丈夫。軽いトレッキング気分で登ってみましょう。1つめの休憩ポイントには山桜も植えられています。

頂上には、龍王宮が祀られています。ここで合掌した後は展望スポットへ。

上写真がその眺めです。右手に三上山(みかみやま)、眼下には栗東市、遠くに琵琶湖が!三上山はその姿から、「近江富士」とも呼ばれています。

三上山の写真がこちら。16世紀当時は田んぼだけで、守山、草津まで見渡せたそうです。なるほど、ここに立てば敵の動きが一目瞭然であったことは明白です。のろしを上げれば、どこからも目についたでしょう。

土地勘のない筆者にとっては、美濃から京に向かうには、琵琶湖に沿って走る旧東海道・中山道を通れば意外に近い、ということが、やっと地図とこの眺めを見て理解できたのです。当たり前ではありますが、その土地に来て立地を見て想像することで、歴史がもっと身近になります。そんなことを改めて感じさせられるはずです。

「東海道・中山道を見下ろす要衝に建つ城」と資料に書かれたキャッチフレーズにも、納得です。見晴らしの良い絶景とともに、ここは土地の人に人気の初日の出スポットらしく、毎年100人ほどが訪れるそうです。写真が山頂から見る東の山々です。ここから初日が上ります!

多喜山城跡

住所:滋賀県栗東市六地蔵255

開場:24時間

「如意の里ごきげんさん」で迎春のご馳走を

多喜山城でご来光参拝の後は、車で約10分の距離にある隠れ家的なグルメスポット「如意の里ごきげんさん」へ。「嘘のない本物志向の食」を目指し創業16年目、関西の人々に愛されている和食の名店です。写真は、店主の岩本幸子さん。

料理人は京都から招き、軍鶏は高島、湯葉は比叡山、イワナは岐阜の郡上八幡、地元の近江牛と新鮮な材料にとことんこだわります。

お客が日常を離れて心から寛いで贅沢な時間を過ごせるようにと、個室がメインとなっています。各部屋には囲炉裏があり、ここで、炭火焼をいただきます。

人気は、土地の自然薯を使ったとろろ御膳(2,080円・税抜)や極上ステーキ御膳(3,980円・税抜)、モロヘイヤ入りの温玉とろろ蕎麦(900円・税抜)など。

注文したのは、イナズマ塩チャンコかミニステーキを選べるプチ贅沢ランチ(3,580円・税抜)。

ステーキのおいしさは当然ですが、塩チャンコも頼んで大正解。鴨のダシを使ったチャンコ鍋で、とろけるような口溶けの近江牛をいただきます。とにかく、この鴨のお出汁、絶品です!京都の味は薄すぎる、と感じる方もいらっしゃるでしょうが、こちらの味付けは、しっかりとした味が感じられながら上品そのもの。ちょうど良い塩梅です。古くから、近江は京の台所、といわれていた由縁が頷けます。

牛肉ブームの今、ステーキ、しゃぶしゃぶ、すき焼きとさまざまな食べ方がありますが、ダイエットを心がけている人にも、ぜひおすすめしたい食べ方です。

今年の干支、丑年にちなみ、今年は「如意の里 ごきげんさん」の近江牛でスタートしてみませんか?

如意の里ごきげんさん

住所:滋賀県栗東市井上281-4

電話:077-558-3223

営業時間:11:30~22:00(ラストオーダー21:00)

※栗東駅、草津駅からの送迎あり。

HP:http://gokigensan.com/

「戦国ワンダーランド滋賀・びわ湖」公式サイト

[All photos by Sachiko Suzuki]

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