侍ジャパンの守護神は誰になる? DeNA・山崎スランプで候補は〝横一線〟

DeNA・山崎(左)に厚い信頼を寄せていた稲葉監督だが…

2021年は侍ジャパンの〝守護神争い〟がぼっ発しそうだ。

今夏に延期となった東京五輪に参加する野球日本代表のメンバーについてNPB・井原事務局長は3月9日に一次ロースター提出期限を迎え、その後の7月上旬の出場選手登録期限まで選考スケジュールが組まれていると明言。この間に侍ジャパンの稲葉篤紀監督(48)らスタッフを中心に絞り込みを行っていくことになるが、1つの重大な難問も生じてくる。指揮官自らが早い段階から東京五輪でチーム守護神として固定している山崎康晃投手(28)が極度の不振に陥っている点だ。

昨シーズンの山崎は開幕直後から調子が上がらず、7月下旬に中継ぎへ配置転換。シーズン最後までチーム守護神の座を三嶋に明け渡したまま、通算成績も0勝3敗、6セーブ、防御率5・68といずれも自己ワーストで終えた。直訴していたポスティングシステム申請によるメジャー移籍も断念せざるを得なくなり、厳しい境遇へと立たされている。

侍ジャパン関係者は「稲葉監督は当然、山崎の復調を願ってはいるが、現状を考えると侍の守護神について一旦〝白紙〟に戻さざるを得ないだろう」と指揮官の胸中を代弁し、2月のキャンプから再びシャッフルする形で新たなストッパー選考に踏み切る見込みであることも明かした。

「山崎が仮に今オフ、メジャーに移籍していたら東京五輪参加はMLB球団の許可を得られず難しくなっていた。そうなった場合、彼の代役を選ぶことになる。そこはあらかじめ想定していたので新守護神の選定作業は想定の範囲内。山崎も含め来年はもう1度、抑えのサバイバルレースが繰り広げられることになるはず」(選出の関係者)

話を総合すると、この山崎以外にも、今季パのセーブ王に輝いた西武・増田や日本一の立役者となったソフトバンク・森、そして昨年は先発からシーズン途中にクローザーへ再転向した楽天・松井裕も「有力候補」として急浮上しているという。

日の丸を背負う新たな守護神が誕生するのか。それとも山崎が復調を遂げ、こだわりのポジションを死守するのか。侍ジャパン内部で繰り広げられるデッドヒートに注目が集まる。

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