セパとも3球団は不動? 楽天は混沌の争い…12球団の「開幕投手」を最速予想

オリックス・山本由伸、ソフトバンク・千賀滉大、中日・大野雄大(左から)【写真:荒川祐史】

ソフトバンクは千賀、オリックスは山本が最有力か

幕を開けた2021年シーズン。コロナ禍などによる延期がなければ、3月26日にセパともに開幕を迎える。春季キャンプやオープン戦をへてチームの勢力図に変化が生まれることは予想されるが、Full-Countでは最も早い開幕投手予想を敢行。12球団の顔ぶれを占ってみた。

○パ・リーグ
千賀滉大(ソフトバンク)-美馬学(ロッテ)

ソフトバンクは、2020年に最多勝、最優秀防御率、最多奪三振の「投手3冠」に輝いた千賀が最有力になりそう。先発陣では石川や東浜、ベテラン和田ら層は厚いが、調整が順調ならエース右腕に託す可能性は高そう。一方のロッテは、昨季チームトップの10勝を挙げた美馬が、現時点では有力か。昨季当初は開幕投手に内定していたが、わき腹痛に加えてコロナ禍による開幕延期が重なり、その座を石川に譲った。FA移籍2年目となる今季に“リベンジ”開幕を目指す。

涌井秀章(楽天)-上沢直之(日本ハム)

楽天は2020年に移籍1年目で11勝を挙げ史上初の3球団で最多勝を獲得した涌井が本命。則本、岸、そしてドラフト1位ルーキーの早川も候補になるが経験豊富な涌井に託したい。日本ハムは昨季開幕投手を務めた有原がメジャー移籍。その右腕らとともにチームトップタイの8勝を挙げた上沢に任せるのが現実的でもある。2019年以来2年ぶりの大役を担うことになるか。

高橋光成(西武)-山本由伸(オリックス)

西武は昨季チーム最多の8勝を挙げた高橋に任せて、エースとしての完全覚醒を促したい。2014年のドラフト1位右腕も今季7年目。昨季は後半戦で2度ノーヒットノーランに迫るなどチームを引っ張っただけに、シーズンを通した活躍が求められる。オリックスは盤石のエース・山本を立てることになりそうだ。昨季は最多奪三振のタイトルを獲得。故障さえなければ、死角は見当たらない。

楽天・岸孝之、涌井秀章、則本昂大(左から)【写真:荒川祐史】

巨人は菅野の去就次第、広島は右肘手術の大瀬良の状態次第か

○セ・リーグ
戸郷翔征(巨人)-大貫晋一(DeNA)

巨人の開幕投手の行方を大きく左右するのが、ポスティングシステムでメジャー挑戦を見据える菅野の去就。今月8日に交渉期限を迎える中、もし移籍が実現すれば、開幕投手候補の筆頭には戸郷の名前があがってきそう。DeNAは、左肩を手術した今永の見通しが立ちづらいため、昨季チームトップの10勝を挙げた大貫を思い切って抜擢する可能性もある。一方で、三浦新監督が就任した新生チームで、横一線の競争になる場合も予想される。

小川泰弘(ヤクルト)-西勇輝(阪神)

ヤクルトは、昨オフに国内FA権を行使するも残留したライアン小川が最有力か。昨季はベテラン石川が40歳で開幕投手を務めたが、状態さえ整えばエース右腕に託す可能性は高い。阪神は、順当にいけば2年連続で西勇が担いそう。昨季はエースとしてチームトップタイの11勝をマーク。シーズンを通して安定感を示し、首脳陣の信頼は揺るぎない。

大瀬良大地(広島)-大野雄大(中日)

広島は昨季、ルーキーの森下が10勝を挙げて台頭したが、開幕の大役は3年連続でエース大瀬良に担ってもらうことも考えられる。昨年9月に手術した右肘の状態次第にはなるが、キャンプとオープン戦を通じて状態が上がってくれば十分に頼もしい存在となる。一方、中日は事実上の一択。昨季沢村賞に輝いたエース大野雄以外に考えられない。(Full-Count編集部)

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