【天皇杯】J1川崎・鬼木監督「延長まで考えて…」ラストマッチの憲剛に〝温存〟を謝罪

MF中村憲剛

天皇杯優勝を飾ったJ1川崎の鬼木達監督(46)が、現役ラストマッチとなったMF中村憲剛(40)を起用しなかった意図を説明した。

今季限りでの引退を表明している中村にとっては現役最後の試合となるが、出場機会は訪れなかった。川崎を象徴するレジェンドにとっては寂しい形でのラストマッチとなったが、指揮官は試合後に起用しなかった理由を明かした。

「最後のゲームなので使ってあげたかったが、今日は使えなくて申し訳ないという話をした。憲剛はチームの勝利が優先だからという話もしてくれた」と試合後に中村に対して〝謝罪〟をしたという鬼木監督。

「自分の中のプランとしては、あのまま勝ち切ること、憲剛を入れる選択肢もあったが、今日は延長まで考えていて、もし延長になった時にスタジアムの雰囲気を変えられるのは誰かと考えた。そういう意味では、それが憲剛だと思っていた。そういう状況になって新たなパワーを生み出せるのは憲剛だろうと」と説明。追いつかれたケースも想定し、最終的に勝利をつかむために中村を切り札として〝温存〟したというわけだ。

「憲剛本人にもそういう話をして、そういう形で決断したと伝えた。『そんな感じだと思いました』と言っていた。自分の頭の中も彼は分かる選手。そういうやりとりをした」と中村にも説明したうえで、本人も納得したという。最後にピッチに立てなかったのは残念だが、悲願の天皇杯初優勝で締めくくり、川崎が最高の形でレジェンドを送り出す。

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