感染収束 竹灯籠に願う 田平・浄香寺 姉供養の明かり

「三密」「丑」などの文字を浮かび上がらせた竹灯籠の明かり=平戸市、浄香寺

 長崎県平戸市田平町の浄香寺(村田和元住職)で境内を飾る竹灯籠が12月31日と1月3日の夜にともされ、初詣の参拝者らを出迎えた。2015年に68歳で亡くなった、同町の松田幸枝さんを供養しようと弟の岡田眞さん(68)ら遺族が同年12月31日、寺の参道にろうそくを入れた竹灯籠500個を飾ったのが始まり。以来、同寺の関係者らが加わって毎年、500個ずつ灯籠を追加してきており、今回は3千個を用意した。
 例年、2日かける準備作業。今回は厳しい寒波と降雪、強風のため、12月31日だけでやり遂げた。境内に「三密」「2021」「丑(うし)」などの文字、ハスの花やハート形をかたどるように配置。約20人で同日夕から点火し始めたが、断続的に降る雪や雨、強い風で明かりが吹き消され、全ての灯籠に明かりをともすことはできなかった。
 岡田さんは多くの参加者が関わった竹灯籠点灯を成功させようと、再挑戦を決意。村田住職の許可を得て、1月3日、文字などを構想通り庭に浮かび上がらせた。
 同寺の村田元徳副住職は「竹灯籠を点灯するようになってから、特に若い世代が初詣の参拝をしてくれるようになった。再挑戦できれいに文字ができて良かった」と話す。岡田さんは「昨年は新型コロナウイルスの影響で、人と人との付き合いも十分にできなかった。今はとにかくコロナが収まってほしい」と竹灯籠の明かりに願いを込めた。

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