WEC:開幕戦ではカストロネベスも助っ人に。LMP2初参戦のインターユーロポルが強力布陣を発表

 2021年のWEC世界耐久選手権に初参戦するLMP2クラスのインターユーロポル・コンペティションが、ドライバーラインアップを確定。ランガー・バン・デル・ザンデとアレックス・ブランドルが加わることになり、さらに開幕戦セブリング1000マイルレースでは助っ人としてエリオ・カストロネベスが参戦することになった。

 デイトナ24時間ウイナーであるバン・デル・ザンデと、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズのフロントランナーであるブランドルは、昨年10月の参戦表明時に発表されていたシルバードライバーのヤクブ・スミエコウスキーとともに、ポーランド籍チームの34号車オレカ07・ギブソンをドライブする。

 さらに3月の開幕戦セブリング1000マイルレースでは、2020年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権DPiチャンピオンでインディ500を3度制した経験をもつカストロネベスがバン・デル・ザンデの代役として参戦する。

 これは、同じ週末にセブリングで同時開催されるIMSAのセブリング12時間レースにバン・デル・ザンデが参戦するためだ。

「我々が、WECに出場する初のポーランドチームであることを誇りに思う」とチーム代表のサッシャ・ファスベンダーは語っている。

「これを可能にしてくれたチームスポンサーのインターユーロポルにはとくに感謝している。我々のドライバーラインアップが示すように、ただそこにいるためにレースに参加するわけではない」

「我々はひとつかふたつの印象を与え、WECに足跡を残したい。LMP2で3シーズン目を迎えるクバ(スミエコウスキーの愛称)と、LMP2とDPiでの優勝経験を持つランガー、アレックスという、強力なチームが出来上がった」

「チーム全体がやる気に満ちており、3月にWECのステージへと立つことが待ちきれない」

インターユーロポル・コンペティションが2021年のWECに投入するオレカ07・ギブソン

 バン・デル・ザンデは、2018/19シーズンのLMP1クラスにドラゴンスピードで参戦して以来となるWECへ向け、準備を整えている。

 WECセブリング1000マイルとIMSAセブリング12時間の共催という『スーパーセブリング』の週末に加え、WEC富士6時間とIMSAロングビーチ戦でも、バン・デル・ザンデは2度目の日程重複に直面することになるが、チームはこれまでのところセブリングのバッティングについてのみ、その対応を明らかにしている。

「2021シーズン、チップ・ガナッシでのキャデラックDPiのプログラムに、インターユーロポル・コンペティションでのWEC参戦を加えることができるのを光栄に思う」とバン・デル・ザンデは語っている。

「それが2021年の僕の基本となるプログラムだ。ル・マンという象徴的なサーキットとレースにまた戻ることができてハッピーだね」

「残念ながら、セブリングでは日程がバッティングするためWECの開幕戦には出場できない。IMSAの12時間レースに集中しながらも、インターユーロポル・コンペティションが素晴らしい走りを見せることを望み、注目しているよ」

■「とても興奮している」とエリオ・カストロネベス

 カストロネベスがセブリングにおいてバン・デル・ザンデの代役として起用されることは、アキュラ・チーム・ペンスキーを駆ったDPiチャンピオンがWEC初出場に向けて準備が整っていることを意味している。

 2017年のプチ・ル・マンがLMP2マシンでの最後のレースとなっているカストロネベスは、今月IMSA開幕戦のデイトナ24時間レースにウェイン・テイラー・レーシングから参戦するものの、フル参戦の機会は失っていた。

「セブリングでのWECにインターユーロポルから出場できることにとても興奮している」とカストロネベス。

「昨年から話し合ってきて、いま僕らは特別なことができるようになった。この参戦によってチームが多くの機会を得ることを願っている」

「DPiで3年間レースをしたことで、この挑戦の準備をすることができた。2021シーズンのスタートが待ちきれないね」

 ブランドルは2017年にLMP2のジャッキー・チェンDCレーシングからWECに出場していた。その後、2019年にはユナイテッド・オートスポーツのLMP2プログラムに参加、ウィル・オーウェンとヨブ・バン・ウィタートとともに、昨シーズンのELMSではランキング2位となっている。

「世界の舞台に戻れるのは素晴らしいことだし、いくつかのサーキットを本当に楽しみにしている」とブランドル。

「僕は確かに、とても印象的なドライバーラインアップに名を連ねている。クバ、ランガー、エリオと一緒にマシンをプッシュするのを待ちきれない」

「チームはLMP3で素晴らしい結果を出した。エンジニアリングスタッフとメカニカルクルーとともに働き、チームを成功と次なる段階へと導くことを楽しみにしているよ」

 インターユーロポルはELMSで5シーズンを過ごした後に、WECへと参戦する。ELMSでは2019年にリジェのLMP2プログラムを追加する以前、LMP3マシンで3シーズンを戦っていた。

 チームは昨年10月のIMSAプチ・ル・マンでオレカ07のLMP2マシンのデビューを果たし、11月のセブリング12時間にも参加、WECへの参戦に向けて準備を重ねてきている。

2020年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権にLMP2でスポット参戦したインターユーロポル・コンペティション

© 株式会社三栄