玄関ポーチに屋根を後付けするリフォーム費用と注意点は?

玄関の「庇」という屋根は、雨や雪の吹込み防止、日よけ、玄関への汚れの防止などがあります。さらに、最近ではおしゃれなデザインも増え、家の印象を変えられることも魅力です。

今回は、庇の役割、後付け・延長する際にかかるリフォーム費用や注意点など紹介します。

玄関の屋根「庇(ひさし)」の役割

庇の設置には、さまざまなメリットがあります。また、家のイメージを決める、最初の入り口としての玄関を印象づけるものとなります。次からは、庇の便利な役割と庇のデザインによる玄関周りの演出について紹介します。

雨や雪の吹き込み防止

雨や雪の吹込みを防ぎ、悪天候でも玄関が濡れなくて済みストレスをためることもありません。傘をさす場合でも、庇により雨に濡れることもありません。冬季の雪のシーズンには、庇の効果により玄関の扉の前に雪が積もるのを防ぐことができます。

直射日光を避ける

庇の日除け効果により直射日光を避けることができます。特に真夏は強い日差しが入り玄関が高温になりがちです。

宅配荷物の受け取りや近所の方との会話の際も、ゆっくり話をすることができ快適な空間になるでしょう。さらに、直射日光を避けることで玄関周りの痛みや劣化などを防ぐことができます。

汚れ防止

庇があれば外壁の汚れが玄関やドアに付着することもなく、庇に沿って玄関の外側に流れ出ます。玄関が汚れていると靴底に汚れが付着し、そのまま玄関へ汚れを持ち込むことになります。玄関やドアを清潔な状態を保つためにも、庇が必要でしょう。

玄関周りをおしゃれに演出

玄関に庇を設置するにより、玄関周りのおしゃれにデザインすることができます。庇のデザインはさまざまですが、玄関のインテリアテイストに合わせて決めるといいでしょう。

庇を後付けする際は設置する業者とよく相談して、利便性とデザイン性を上手に取り入れた玄関を作ることをおすすめします。

庇の種類

庇にはいくつかの種類があります。用いている材質により利便性やデザインが変わってきます。材質の種類により耐久性や取り付けの費用もさまざまです。

ここでは、さまざまな庇の種類の中から、一般に普及している扉の材質を紹介します。

木製

和風の家に相性抜群の木製の庇。北欧風の玄関にもぴったりで、ナチュラルな雰囲気になるでしょう。

木製は他の素材に比べて耐久性が劣る場合があるので、耐久性を上げるために庇の上部はアルミやガルバリウムなどで覆われていることが多いです。

アルミ

アルミは庇の素材として最も普及しており軽くて加工しやすいのが特徴です。さらに、アルミは腐食が少ないため耐久性のある素材といえます。

また、軽いため取り付けしやすく、庇の種類の中では扱いやすい素材です。デザイン性もよく、素材の表面仕上げによりさまざまな印象を持たせることができます。

ガルバリウム

ガルバニウムとはアルミニウムと亜鉛の合板で、アメリカで開発された素材のことをいいます。ガルバニウムは腐食に強いため、建物の外壁や屋根、ベランダまわりなど建築材として用いられています。

ステンレス素材より価格が安いため材料として普及しています。ガルバニウムは薄い素材で、他の建築資材では着色できない色合いを持たせることもできますので、デザイン性に優れているといえます。

ポリカ

ポリカとはポリカーボネートのことをいいます。ポリカはプラスチックの素材で強度が高く加工しやすいのが特徴です。透明もしくは半透明のため、採光性を維持したまま庇として利用できます。

ポリカには平版と波板があり、ポリカ平版は平らなポリカ板のことで、ガラスと同様の採光性と開放感を得ることができます。

ポリカ波板は表面が波型となっている素材のことをいい、透明もしくは半透明の形状です。波型のポリカは継ぎ目の部分が庇の下から見えるため定期的に掃除をする必要があります。

ガラス

庇用のガラスは強化ガラスを使用しています。衝撃試験や荷重試験などをクリアしたものが庇の材料として使われていますので安全性も問題ありません。庇用のガラスには透明なものと乳白ガラスの色付きなものがあります。

また、ガラスの素材にはUVカットの素材もあり、直射日光でも紫外線が気になりません。デザイン性にも優れているため、家の印象に合わせてガラスの中から素材を選べばスタイリッシュな玄関を演出できるでしょう。

後付け庇の費用相場

庇は新築時に設置していなくても後付けすることができます。庇を取り付ける際は外壁に穴を開ける必要があるため、業者に頼んで取り付けることになります。

ここでは、庇の価格相場と取り付け工事の費用相場について解説します。

庇の価格相場

玄関の庇はさまざまなメーカーが取り扱っています。それらのメーカーの中で一般に普及しているYKKapのシンプルモダンシリーズの庇の価格相場は、庇のサイズにより約18万~35万円前後となっています。

シンプルモダンシリーズは厚みが少ないため、シンプルでシャープな庇となっています。庇には素材やデザインにより価格の幅がありますので、庇を取り付ける目的や予算に合わせて選ぶことをおすすめします。

取り付け工事の費用相場

玄関の庇の取り付け費用は約3万~8万円前後となっています。業者によっては値引きする場合があるので見積を取って費用を検討してみるのもよいでしょう。

庇の設置に必要な日数は2~3日で、割と簡単な工事がほとんどです。

庇を後付けするときの注意点

玄関の庇を取り付けるには注意点があります。以下の注意点を参考にしたうえで、庇を取り付けましょう。

玄関ドアと庇の高さを合わせる

玄関に庇を取り付ける場合は、玄関ドアと庇の高さを合わせバランスをとることが必要です。庇とドアの高さの間隔を広げると雨や直射日光が玄関に入り込む原因となります。

庇の高さは低いほど雨や日差しなどを防ぐことができます。また、庇がドアに近いとデザイン性も高く、家の佇まいがよくなることでしょう。

建ぺい率

建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合のことをいいます。家のある市町村により規制があり、約30~80%前後で割合が決めてあります。この割合を超えて建物を建てることはできません。

基本的に玄関は建物に含まれませんが、1000mmを超えると建物としてみなされ建ぺい率に影響を与えます。そのため、庇には約900mmの長さを使うことが一般的です。庇の取り付けの際は業者に建ぺい率を確認しましょう。

庇の出幅

庇の出幅とは、外壁より外に出ている部分の幅をいいます。庇の出幅は一般的に約600~1200mmまでありますが、建ぺい率を加味すると庇の出幅は900mmまでとなることが多いです。

庇によって遮れる雨や日差しは住宅の立地条件にもよりますので、庇を取り付けた後に後悔せずに済むようにどれくらいの出幅が必要かは注意が必要です。1年で最も日差しの強い梅雨明けから残暑の時期までを目安に計算するのがおすすめです。

理想的な玄関の作り方

玄関は住む人の利便性と求めるデザインなどに合わせて作るといいでしょう。ここでは注文住宅を新築する際の理想的な玄関の作り方として、2つの設計方法を紹介します。

外壁面に合わせて玄関ドアを配置する

玄関ドアを外壁面を合わせることでシンプルなデザインの玄関となります。

この配置では、庇の奥行きが短いと雨よけや日差しを防ぐことが十分にできない場合があります。デザイン性と実用性を加味して家に合った庇の奥行きを設計することをおすすめします。

この方法はモダンなデザインの家と相性がよく、すっきりとした印象の家にぴったりです。

外壁面を凹ませ引き込んだ形で玄関ドアを設置する

外壁面を凹ませてドアを設置する方法をセットバックといいます。

セットバックでは、建物の中に玄関ができるため庇を設置する必要がありません。セットバックを利用することで、玄関を強調したデザインにすることができます。

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