【新型コロナ】神奈川県、濃厚接触者の調査範囲を縮小 「保健所の業務負担軽減」

神奈川県庁

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、神奈川県は9日から、市中感染に対する濃厚接触者の調査範囲を縮小し、原則として同居家族らに限定する。濃厚接触者を調べる保健所の業務負担を減らすほか、市中感染がまん延したための措置。感染リスクの高い医療機関や高齢者施設などでの調査は重点化させる。

 これまで新規の感染者が判明した場合、保健所が周囲の人を調査し、感染者と感染予防策をせずに1メートル程度の距離で15分以上接触するなどした人を濃厚接触者とし、感染の有無を公費で検査していた。今後は、市中感染者の濃厚接触者を、同居している人か、接触確認アプリ「COCOA(ココア)」の通知を受けた人に限定する。濃厚接触者の調査範囲を縮小する一方、医療機関や高齢者施設、学校、幼稚園などでの調査や検査は強化するとしている。

 ただ、知人との会食で感染したケースなどは調査範囲から外れるため、無症状感染者を見逃したり、感染傾向が把握できなくなったりする恐れがある。県の担当者は「傾向をつかむための手だては考えていきたい」と話している。

 県は同様の方針を昨年11月にも示していたが、保健所ごとの取り組みにばらつきがあったため、今月7日に方針を徹底させることを確認した。

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