【石川優実が芸能界のセクハラ、パワハラ告白】この私の戦いを映画にしてもらうのはどうかな

本紙に被害体験を打ちあけた石川優実

【現役女優が芸能界の性接待を実名告白!石川優実「#MeToo」:最終回】芸能界のセクハラ、パワハラを顔出しで告白した女優・石川優実(31)の連載「#MeToo(ハッシュタグミートゥ)」も、いよいよ最終回を迎えます。石川は今年、映画界で大ブレークした作品「カメラを止めるな!」に、実は“ある縁”があり、想定外の嫉妬をする日々を送っていたという。

芝居のお仕事に関しては、良い、悪いと半々の気持ちです。

いろいろと失敗をして、私は自分のことを「親から見たら、みっともない存在だろうなって」勝手に思っていたので、女優として成功すれば、きっと世間に認められると思っていた。そこまで行かないとやめれないという強迫観念もありました。

主演映画「女の穴」の吉田浩太監督はターニングポイントになってくれた監督なんです。

吉田監督が「お前、なんでそんなに自信ないの? グラビアも舞台もやって、女優としても主演してるじゃん。なのになんで自信ないの? 根拠なくていいから自信持て!」って言ってくれて。そこから自分との向き合い方が変わってきたんです。だから、本当に恩人なんですよ。

実は「女の穴」で脱ぐ前に、もう1つ前の吉田監督の作品で主演オファーがあったんです。でも、その時は「脱げません!」って断っていた。「女の穴」のオファーがあった時には当時、グラビアで大活躍していた佐々木心音ちゃんとかが映画でヌードになって、すごくかっこいいと思って、事務所に「映画でヌードになりたいんです!」と言ったんです。それで「女の穴」のオーディションに行ったら、吉田監督がいたんです。すごい縁でした。

その時にヌード写真集も出したんですけど、すごい楽しかった。過去につらい目に遭ってるので、それまではカメラマンさんにも気を許したことがなく、どこかで戦っていたんでしょうけど、その時はめっちゃ楽しくて。性暴力でない性表現は楽しかったです。誤解されそうですが、すごく高揚感があって、アドレナリンが出てました。だから、作品なら、濡れ場もヌードもむしろやりたいって感じなんです。

いま大ブームの映画「カメラを止めるな!」には嫉妬してます。あれは「ENBUゼミナール」という映画学校の作品なんですが、吉田監督はそこの出身だし、私もそのゼミの舞台で吉田監督と知り合ったんです。

で、私は正直、悔しくて映画を見れない! やっぱり嫉妬しちゃってますね。私レベルが嫉妬するのもアレなんですけど。吉田監督のENBUゼミの舞台にも出ているのに…。だから「私は見れない! むしろ、私の映画を見ろよ!」って嫉妬です(苦笑)。いつか、見る時のために情報は遮断してます(笑い)。

この感情は「ロマンポルノリブート」でも感じました。私、オーディション受けて落ちてるんです。それで主演した間宮夕貴さんが盛り上がってるのを見ると…完全に嫉妬です(苦笑)。でも、本当にすごいなって。

今、私はこの運動で頑張っているので、お休みということで。吉田監督とは「カメ止め」についてのお話は一切してませんが、フェイスブックを見たら「悔しい」とだけ書いてありました(笑い)。

うまくいかないこともいっぱいありましたけど、その作品、その役のことを考えることはすごく楽しいです。瞬間瞬間に生まれる気持ちとか、現場にいなきゃ分からないことがいっぱいあるんですよ。だから、吉田監督とお仕事できたらいいですね。この私の戦いを映画にしてもらうのはどうかな?(終わり)

☆いしかわ・ゆみ=1987年1月1日生まれ。岐阜県出身。2004年、高校3年生のときにスカウトされて芸能界入り。グラビアアイドルとしてDVDを30本以上発売するなど人気を博す。その後、女優として活動。14年には映画「女の穴」で映画初主演。17年にブロガーのはあちゅう氏に触発され、自身が経験した芸能界セクハラ事情を実名で告発。日本での#MeToo運動を展開している。

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