荒木十畝の花鳥画展示 大村・歴史資料館 2月14日まで企画展

「花鳥画金屏風」など荒木十畝の作品が展示された企画展=大村市歴史資料館

 大村出身で花鳥画を得意とした日本画家、荒木十畝(じっぽ)(1872~1944年)の作品を集めた企画展が、大村市東本町の市歴史資料館で開催されている。入場無料。2月14日まで。
 十畝は現在の同市久原2丁目で旧大村藩士、朝長兵蔵の次男として生まれた。1892年に上京して荒木寛畝に師事。寛畝の娘、鈴と結婚し荒木家を継いでから「十畝」を名乗った。
 会場では十畝によるびょうぶや掛け軸、鳥や花の詳細なスケッチなど所蔵作品を中心に計31点を展示。伝統的な花鳥画から華やかな作風に変わり、晩年には幽玄で精神性の高い作品に変化していった様子がうかがえる。特に、新春と秋の風景をそれぞれ描いた「花鳥画金屏風(びょうぶ)」(1918年)は、華やかな作風に転換した時期の物で、同館所蔵の中でも代表的な作品という。
 企画展は昨年4月に開催予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大を受け延期していた。同館の担当者は「華やかな作品をはじめ、どこか人間くささを感じる鳥など、十畝の魅力的な作品を楽しんでほしい」と話している。

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