【新日本】飯伏 IWGPとICの一本化提唱の裏に〝譲れない信念〟

飯伏が獲得した2本のベルトについて持論を展開

新日本プロレスのIWGPヘビー級&インターコンチネンタル(IC)2冠王者の飯伏幸太(38)が、ベルト統一プランの真意を明かした。2月11日の広島サンプラザホール大会でSANADA(32)とのV2戦が正式決定し、改めてIWGPとICを1本のベルトにすることを提唱。その裏にはそれぞれのベルトへの特別な思いと譲れない信念がある。

V2戦が決まった飯伏は12日のオンライン会見で「楽しみですね。総合的に揃ってる選手なので。早く戦いたい」と闘志を燃やした。さらにその席で、5日の東京ドーム大会後に披露したベルト統一案を改めて主張。「ICは思いが詰まったベルト。IWGPは新日本の象徴のベルト。最高のベルト(IC)と最強のベルト(IWGP)だと思ってるので。これが1つになったら、もっとすごいことが生まれるんじゃないかな」と目を輝かせた。

いったいなぜそこまで統一にこだわるのか。会見後に本紙の取材に応じた飯伏は、最大の理由として昨年1月に内藤哲也(38)が同時戴冠を果たして以降、全ての王座戦が「ダブル選手権」として行われ、両王座の独自性が失われつつある現状を挙げた。

「内藤さんが別々に防衛戦をやろうとしてたのは共感してました。でも最後まで(新日本に)認められなくて。結局2つで1つというか、価値が半分ずつに薄れてしまったようにも見えて、両方のベルトに思い入れがありまくる自分にとっては少し寂しかったですね」と語る。

「プロレスを広める」ことを使命とする飯伏にとって、初めてプロレスを見る人が「何のために2本ベルトがあるのか分からない」ような状況は好ましくない。いずれかを封印か返上する選択肢もあったが、IWGPはあこがれ続けた最高峰のベルトであり、ICは尊敬する中邑真輔(40=現WWE)との思い出も詰まった大切なベルトだ。

「大事だからこそ返上とか封印は絶対したくなかった。これは決して中途半端な気持ちで言ってるわけではなくて。IWGPの歴史もICの歴史も継承した新しいベルトで最強と最高を証明していくことが、両方を守ることになるんじゃないかと思ったんです」と一本化を望む真の理由を説明した。

そのためにも短命政権で終わるわけにはいかない。プロレスの常識をことごとく覆してきたゴールデン☆スターの新たな戦いが幕を開ける。

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