小池都知事〝横並び6万円支給〟の「虚」 深夜営業続ける飲食店が怒りの告発

「ドケチ!」と批判の声が上がる小池都知事

政府は12日、緊急事態宣言を首都圏と合わせて対象地域を計11都府県に拡大することを決定したが、感染拡大の中心地・東京では「小池都知事はドケチ!」との声が上がっている。1都3県に緊急事態宣言が7日に再発令されて以降、飲食店などは午後8時までの営業時間の短縮を強いられているが、8時以降も営業を続ける店は少なくない。「6万円すらもらえない!」「なぜ東京だけ差別されるのか!」と大手飲食店は不満を隠さない。

政府が新たに緊急事態宣言の対象地域とするのは栃木、岐阜、愛知、京都、大阪、兵庫、福岡の7府県。宣言期間は4都県と同じ2月7日までとする方針だ。

一方、すでに緊急事態宣言下の1都3県の繁華街の飲食店は、大半が午後8時までの時短要請に従い、シャッターを下ろしているが、従来通り深夜まで営業を続けている店もある。

「カフェ ラ・ボエム」や「権八」などのレストランや居酒屋を運営する「グローバルダイニング」は、ショッピングモールなどに入る一部店舗を除き、平常通りの営業を宣言している。

同社はホームページで「緊急事態とは思えない」「医療崩壊、本当なのか疑問」と挙げたうえで「飲食で19時までの飲食の提供、20時までの営業では事業の維持、雇用の維持は無理です」と時短要請には応じない構えを示した。

同じく24時まで飲酒、飲食できるとSNSで話題になっているのが、首都圏を中心に100店舗近いチェーンを展開する大手居酒屋だ。午後8時を過ぎても営業しており、酒類も提供しているとあって、この3連休は多くの人であふれた。同居酒屋の運営会社に話を聞いてみると意外な事情がわかった。

「深夜営業しているのは都内の店舗だけ。千葉、埼玉、神奈川の店舗は時短要請に従っている。6万円の協力金が支給されるのになぜすべての店を閉めないのかと言われるが、東京の店舗は協力金の支給対象外なんです」

時短要請に応じる飲食店は、一律1日6万円が支給されるはずではなかったのか。実は1都3県で、支給対象は横並びではなかった。

埼玉、神奈川、千葉の3県は、12日からすべての事業者に支給されるが、東京だけが対象は「中小企業・個人事業主が運営する飲食店等」。中小企業の定義は、資本金5000万円以下、従業員数100人以下となっているのだ。

飲食店オーナーは「本来、都は店の売り上げ、従業員数などの規模に応じて、協力金を支払わなければいけない。しかも大企業といってもピンキリで、対象から外しているのはおかしいし、1都3県で連携すると言いながら、結局『ない袖は振れない』と小池都知事だけが、ドケチな姿勢を見せているようなもの。これでは従えないと大手飲食店から不満が出るのは当然ですよ」と話す。

「紅虎餃子房」「タイガー餃子会館」などを運営する「際コーポレーション」の社長がSNSで「不平等を改善していただきたくお願いに参ります」と大手飲食店も協力金の支給対象にするよう都に陳情すると発表した。

また「当初の話と違う」と時短要請に従う姿勢から一転して、通常営業に戻すと発表する大手飲食チェーンもある。

すべての飲食店が支給対象になっていないことに、都の産業労働局は「厳しい経営環境にある中小企業が対象で、大企業は財政的に資金等もあるので支給対象から外れている」と説明する。

小池氏の元には、納得のいかない経営者たちの怒りが殺到することになる。

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