すっきり整理されたミニマリストの部屋にしたいと考える人も多いです。しかし具体的にどんな家具を置けばいいか、わかりにくいと感じるかもしれません。
そこでこのページではミニマリストのライフスタイル、インテリア選びのポイント、具体的な実例などについて解説します。
ミニマリストとは
ミニマリストとは、ものを持たない人のことだと思い込んでいないでしょうか。しかし実際には、それ以外の要素も含んだ言葉です。
minimal(ミニマル)「最小限の」という言葉から派生した
ミニマリストとは、余計なものを持たず、必要なものを厳選して暮らす人のことです。「minimal(ミニマル):最小限」から派生したライフスタイルといわれています。海外の富裕層から始まったライフスタイルで、彼らはその気があればほとんどのものを購入できます。
しかし富裕層のなかには、手当たり次第に買うのではなく、自分で厳選した洗練された、良質なものに囲まれて暮らしたいという「ミニマリズム」の考えを持った人々が登場しました。そのような人達のライフスタイルを実践するのがミニマリストです。
よく似た言葉に「断捨離」がありますが、断捨離はどちらかというと「ものについて考える時間を減らす」ことに軸を置くという点に違いがあります。
不用品、壊れたものなどは捨てる
ミニマリストは、壊れたものや使えないものを取っておくことはせず、積極的に捨てていきます。期限切れ食品や薬なども、自分の生活に問題ないとみなして捨てます。
ものの使用期間をあらかじめ決めることも。たとえば下着や靴下などを1年限定にして、期限がきたら処分します。期間限定にすることで家の中にあるものが入れ替わり、数が増えることを防ぐのです。
部屋がもので溢れかえることなく、常にコンディションの良いものに囲まれて暮らせます。
単にものを持たないだけではない。厳選した質の良いものだけで生活すること
ミニマリストは、単にものを持たないだけの人ではありません。いかに質の良いもの、自分に合うものを厳選するかも重要なポイントです。
家具・食器など、日常的に使うものは時間をかけて選びます。最小限ではあるものの、その人自身のこだわりもある程度反映させるのがミニマリストです。
ミニマリストにおいて部屋のインテリアは重要
最小限のもので、かつ洗練された部屋で暮らすのがミニマリストの目標です。そのため、部屋の大部分を占めることになるインテリア選びは、重要なポイントです。
具体的には、ベッド・机・椅子・ソファ・照明など。ミニマリストの部屋というと、シンプル・質素・殺風景などをイメージする人もいるかもしれません。しかし、自分なりのこだわりがあるので、単調な部屋ではないのが特徴です。
たとえば美しい木目の壁を際立たせるために、ソファやラグは無地のシンプルなタイプにするといった具合です。余計なものを排除しながらも、特定の1点にこだわるのがミニマリストのインテリアといえます。
ミニマリストの部屋にするメリット
ミニマリストの考えに沿った部屋にすることにより、生活において以下のようなメリットが生まれます。
自分の興味や好みがはっきりする
ミニマリストが部屋に置くものは、本当に必要で自分が気に入ったものだけです。どれを買うかを真剣に考えていくうちに、自分が好きなもの、興味がわくもの、自分に合うものが何か、徐々に判断がつくようになります。
自分が買うべきものが理解できるようになるので、自分に合うのか迷うことが少なくなり、買い物をするのも効率的になります。
無駄遣いを避けられる
ミニマリストは買い物をするときに、自分にとって最適か、本当に使うのかを慎重に検討して選びます。自分が本当に必要なものを理解しているので、余計な買い物をすることが減るのもメリットです。
無駄遣いが減ると、貯金や投資に回すお金が生まれ、家計の助けにもなります。
掃除に時間がかからない
不用品や無駄なものを部屋に置かないので、掃除しやすい部屋になります。部屋がごちゃごちゃしていると掃除する気が失せてしまい、余計に部屋が片付かなくなるという悪循環に陥ることも。
ミニマリストの部屋ならものが少ないので、ワイパーや掃除機を使いやすく、効率的な掃除が可能です。時間がかからなければ、掃除をする頻度も増え、ますます綺麗な部屋になります。
作業に集中できる
やらなくてはならないことがあるとき、余計なものがあると作業の進捗が遅れがちになります。ミニマリストの部屋にすることで、気が散ってしまうことが少なくなり、作業に集中しやすくなります。
また、必要なものがどこにあるのかわからず、探してしまうようなことがなくなるのもメリットです。
ミニマリストのインテリア選びの考え方
ミニマリストの部屋にしたい人に向けて、インテリア選びのポイントについて解説します。
1点はこだわりを持ったアイテムを使い、それ以外はそぎ落とす
まず部屋でどのアイテムにこだわるのかを決めましょう。いくつもこだわると雑多な印象になるため、必ずひとつに絞り込んでください。
とくにインテリアに興味のある人なら、デザイナーズ家具を取り入れるのも良いです。重視するアイテムを決めたら、その他のアイテムはシンプルなものを選んで統一感をもたせましょう。余計なデザインの入っていないアイテムで揃えるのが重要です。
多用途に対応できるシンプルなデザインを選ぶ
ある特定の用途にしか使えないインテリアは、ミニマリストの部屋には向きません。たとえば収納棚については、マンガ用や雑誌用といった特定のアイテム向けの棚は止めましょう。
本・雑誌・DVD・書類・文具など、さまざまなものを整理収納できる棚がおすすめです。またインテリア以外のアイテムも重要です。
食器にはさまざまな用途のものがありますが、特定の料理用の食器を揃えだすと、数が多くなってしまいます。和食・洋食・中華など、どのジャンルの料理にも使えるシンプルな食器を選びましょう。
長く使える素材のものを選ぶ
家具や家電の買い替えをできるだけ減らし、同じものを長く大切にするのもミニマリストの特徴です。
値段だけを見るのではなく、長く使えるかどうかも判断しましょう。家具は大切に扱えば長持ちしますし、愛着が生まれれば自宅に帰ったときに安心してリラックスできます。
間違ったミニマリストインテリアの捉え方
ミニマリストは断捨離などとよく混同されるため、間違った捉え方をされることもあります。
カラーはホワイトやモノトーンだけとは限らない
ミニマリストの部屋でホワイトが多いのは確かですが、それだけにするわけではありません。よく部屋を見ると、ところどころに、ポイントとなる差し色をうまく利用するパターンが見られます。
たとえばホワイトを中心にしながら、椅子の色をブルーにすることで、単調ではないさわやかな印象の部屋に。木製の家具を揃えてブラウンを基調としながらも、ラグマットを落ち着いたグリーンにすると、バランスの取れたリラックスできる配色になります。
このように、単一の色だけに統一するのではなく、差し色をうまく取り入れるのがミニマリストのスタイルです。
直線的な飾り気のない家具に統一する必要はない
ミニマリストはシャープな印象の部屋に住むと勘違いされることも。しかし直線的なデザインの家具を並べることがミニマリストというのは間違いです。
こだわるポイントに丸みのある家具を選ぶことも、まったく問題ありません。たとえばソファや椅子だけを丸みのあるものにすることで、穏やかな印象の部屋にすることができます。
何も飾らないのが正解ではない
ミニマリストというと、飾りっ気のない殺風景な部屋と思われることもあるようです。しかし実際のミニマリストの部屋を見れば、ポイントを絞り込んで飾っていることがわかります。
ミニマリストとは自分の趣味や好みを抑えるものではない
ミニマリストの部屋とは、こだわるポイントをひとつに絞り込み、それ以外は無駄をそぎ落として統一させることです。よって個人の趣味や好みを無視するライフスタイルではありません。
問題なのは、優先すべき好みを決められずに、あれこれ取り入れてしまうこと。優先事項を絞り込めないと、雑多で統一感がなく、無駄の多い印象の部屋になってしまいます。
ミニマルでおしゃれな部屋にコーディネートするためには
すっきりしながらもおしゃれな部屋にするために大切なポイントについて見ていきましょう。
部屋のテーマを決める
ミニマリストの失敗でよくあるのが、こだわりポイントを決めきれないこと。絞れないとものの多い部屋になってしまいます。そのような失敗を避けるには、部屋のテーマ、最優先事項をあらかじめしっかり決めることが大切です。
どんな部屋に住みたいのかを、できるだけ具体的にイメージしましょう。ブルーやグリーンを中心にすっきりした色彩の部屋にしたい、木製の家具を置いてぬくもりのある部屋にしたいといったように。テーマが決まれば、それに合った家具を選んでいきましょう。
空間が生まれるように部屋の広さに合わせてインテリアを絞る
ミニマリストの部屋は、空間に余裕を持たせて、広々とした印象にすることも大切です。広い空間を作るには、床と天井がキーポイントになってきます。
床を大きく見せるには、面積が大きい家具を置くのを避けることです。ベッドや収納棚は脚付きのものを選び、床が広く見えるようにしましょう。掃除機やワイパーで掃除をするのも楽になります。
天井については、どれだけ高さを出せるかが重要。背の高い家具は配置しないことがおすすめです。背の低いベッドや収納棚を選ぶことで、部屋の圧迫感がなくなります。
必要なものを考える
ミニマリストの部屋は、必要最小限のものだけを置くのが鉄則です。買い物では、自分にとって本当に必要なのか、生活で必ず使うのかを慎重に見極めましょう。
ベッド・ソファ・テーブル・食器棚など、ひととおり買い揃えるイメージを持つ人も多いと思いますが、必ずしも全員に必要というわけではありません。
たとえばまったく自炊をせず、これからもするつもりのない人なら、食器の数は非常に少なくなります。専用の食器棚を用意しなくても、その他のものと一緒に収納できます。
調理器具は不要で、収納場所を考える必要もありません。このように、自分の暮らしを振り返り、かつどのように暮らしたいかを考えながら、本当に必要なのかを判断しましょう。
主役になるインテリアを決める
その部屋を象徴するような、主役級のインテリアをどれにするか、事前に決めましょう。たとえばリビングなら、ゆったり座れる大きなソファを主役にする人もいると思います。
カバーを取り換えられるタイプのソファなら、模様替えをする楽しみもあり、より部屋の中で大きな存在になります。
その場合はテーブルを小さめにしたり、色をホワイトやライトベージュにしたりして、ソファより目立たないようにバランスを取りましょう。
家具家電のブランドや素材・カラーを統一する
統一感のある部屋にするには、家具や家電のブランドを揃えるのもひとつの手です。同一ブランドの商品は、同じコンセプト・テイストで作られていることが多く、一緒に部屋に置いても親和性があります。
ただ部屋の広さや間取り、商品のサイズなどの問題で、すべて同じにすることは難しいです。部屋でメインとなるテーブル・ベッドなどは同一ブランドにして、その他は素材やカラーで同じものを選んでまとめてみましょう。
床にものを置かない
床を広く見せてすっきりした印象にするなら、床にものを置かないことです。疲れていると片付けるのが面倒になって、つい床に置いてしまいがちですが、ミニマリストの部屋を目指すなら面倒でも片付けましょう。
整理整頓が苦手な人は、ものをどこに収納すればいいか、わかっていないことが多いです。そのため適当に床やテーブルに置いてしまい、雑然とした部屋になってしまうのです。整理するのが苦手な人は、まず片付ける前にものを置く場所をしっかり決めましょう。
生活感をなくす
おしゃれなミニマリストの部屋を作るうえで、生活感のあるアイテムは邪魔になります。ティッシュ箱・ゴミ箱・コード・雑貨品のパッケージなどがあると、一気に生活感が出てミニマリストからは遠くなってしまいます。
そこで、生活感を感じさせるようなアイテムは、隠したり収納したりすることが重要です。
隠す収納術で生活用品や日用品は隠す
いつもそばにないと困るようなものは意外と少ないです。そのため、できる限り収納棚に隠すように収納しましょう。ゴミ箱など大きなものはシンクの下に隠すと部屋がすっきりします。
ティッシュ箱など隠すと生活で不便になるものは、ケースを購入するか自作するのがおすすめです。
商品ラベルははがすか、ボトルに移し替える
シャンプー・トリートメント・食器用洗剤などは、100均などで売っているディスペンサーに移し替えましょう。
ディスペンサーは英語などで表記されたおしゃれなものもたくさん売られています。調味料やスパイスは小さなガラス容器に移すとおしゃれです。なおラベルをはがせるものは、きれいにはがすことで、移し替えなくても生活感をなくせます。
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