在宅起訴の吉川元農水相が声明「公正なご判断を」 身柄拘束なしにネットでは批判も

吉川元農水相

吉川貴盛元農相(70)が鶏卵生産大手「アキタフーズ」(広島県福山市)グループの秋田善祺元代表(87)から大臣在任中に計500万円を受領したとして、東京地検特捜部と広島地検は15日、収賄罪で在宅起訴した。

特捜部は農林水産省幹部やアキタ関係者らへの聴取を進め、職務に関する賄賂に当たると判断した。

これを受けて「大臣の就任祝いだと思った」と賄賂性を否定している吉川氏は、事務所を通じてコメントを発表した。

「本日、当局が単純収賄で在宅起訴したとのことであり、国民の皆様、地元の皆様、関係者の皆様に大変なご心配をおかけしてしまっていることを申し訳なく思っております」

2年前に患った心筋梗塞が要因し、慢性心不全などにより、入院治療を余儀なくされ、昨年末に除細動器(ペースメーカー・AED)の埋め込み手術し、いまも治療を続けているという。

「術前、そして術後も当局からの事情聴取の要請に応じ、真摯に自分の認識を説明してきたところです。今後法廷でも自分の認識を裁判所に対し、しっかりと説明し、公正なご判断を仰ぎたいと思います」

自民党は吉川氏の議員辞職に伴う北海道2区の補欠選挙(4月25日)で候補者を見送る方針。同選挙には、立憲民主党の松木謙公氏(61)と共産党の平岡大介氏(31)が出馬する意向を固めている。

吉川氏は昨年、事件が露見するのと同時に入院。特捜部は持病と高齢を理由に身柄の拘束を見送ったが、ネット上では「また上級国民か」「なんの忖度?」と不満の声が上がっている。

© 株式会社東京スポーツ新聞社