楽天だから活躍した? オリックス出戻りロメロの危ない〝虚弱体質〟 

楽天では好成績を残したロメロだが…

〝出戻り助っ人〟は古巣で猛打復活を果たせるのか。

オリックスが楽天を自由契約になっていたステフェン・ロメロ外野手(32)をわずか1年で呼び戻したことに対し、チーム内外から期待と不安の声が混在している。

ロメロは19年オフ、3年間在籍したオリックスから楽天に移籍。新天地1年目だった昨季は103試合の出場で打率2割7分2厘、24本塁打、63打点の好成績を残した。中でもシーズン序盤の打棒は秀逸で、開幕直後からの10試合は脅威の打率4割超をマーク。楽天の開幕ダッシュに貢献しただけに、昨季得点力不足(リーグワーストの442得点)に悩まされたオリックスが再招聘したのも無理はない。

だが、楽天で躍動した優良助っ人が今季オリックス復帰で同様の働きを見せる保証はない。故障癖があることに加え、起用法次第で状態が大きく変動する「危険な体質」だからだ。

来日4年で規定打席に到達したシーズンは2度あるが、毎シーズンどこかで戦線離脱するのは球界では広く知られたところ。そこで楽天は昨季、ロメロの起用をあえて制限。DHや代打出場で休養を挟みながら虚弱体質の助っ人を巧みに活用し、これが本人の好成績に繋がった。楽天より打線が劣るオリックスで同様の策が可能なのか。今季活躍のカギはこの点に絞られてくる。

昨季ロメロを間近で見届けた楽天関係者もこう話す。

「良くも悪くもロメロは短期集中型。体調が万全であれば好成績が期待できる反面、疲労が蓄積してくると途端に不調に陥ったり故障したりします。この波をいかに抑えられるかでしょう。それに楽天とは違い、オリックスは昨季首位打者に輝いた吉田正以外、シーズンを通して安定して活躍できる打者がいない。大物助っ人のジョーンズもサッパリでしたから。昨季のような打線だとロメロにかかる負担が大きくなり、彼の悪癖が出てくる可能性もある。すべては首脳陣の舵取り次第でしょうね」

ロメロのオリックス復帰は首脳陣の力量を含め色々な意味で注目を集めそうだ。

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