ヤンキースがクルーバーと契約合意 田中との再契約は消滅か

日本時間1月16日、ヤンキースがサイ・ヤング賞2度の実績を誇るベテラン右腕コリー・クルーバーと1年1100万ドルで契約合意に至ったことが明らかになった。クルーバーは先日、ショーケース(公開練習)を開催し、およそ25球団が視察。今季に向けた調整が順調に進んでいることをアピールしていた。ヤンキースはDJ・レメイヒューと6年9000万ドルで合意目前となっていることも報じられており、残りの補強予算を考えると、田中将大と再契約を結ぶ可能性は極めて低くなった。

現在34歳のクルーバーは、2014年から2018年までの5シーズンで1091.1イニングを投げ、防御率2.85、奪三振率10.13を記録。最多勝のタイトルを獲得した2014年と、最多勝と最優秀防御率の二冠に輝いた2017年にはサイ・ヤング賞を受賞した。

ところが、2019年は打球直撃により右腕を骨折して7試合しか投げられず、レンジャーズへ移籍した昨季はわずか1イニングを投げただけで離脱。エース級の活躍を見せたのは2018年が最後であり、サイ・ヤング賞2度の栄光も過去のものとなりつつある。

しかし、公開練習でアピールに成功したこともあり、クルーバーには多くのチームが興味を示しており、ヤンキースが争奪戦を制して獲得に成功。エースのゲリット・コールに次ぐ先発2番手を担うとみられる。

「Roster Resource」によると、レメイヒューとクルーバーを加えたヤンキースの年俸総額は2億ドルを超え、ぜいたく税の課税ラインとなる2億1000万ドルに迫っている。よって、現有戦力をトレードで放出して年俸総額を削減しない限り、課税ラインを超えない範囲で田中と再契約を結ぶのは不可能とみられる。ヤンキースが田中と再契約を結ぶ可能性は事実上、消滅したと言っていいだろう。ブレット・ガードナーとの再契約も難しいかもしれない。

今季の田中は2013年以来8年ぶりにヤンキース以外のユニフォームを着てプレーすることになりそうだ。

© MLB Advanced Media, LP.