救援左腕・ハンドの争奪戦が本格化 メッツなどが獲得に興味

昨季メジャー最多の16セーブをマークしたブラッド・ハンドの争奪戦が熱を帯び始めている。メジャーリーグ公式サイトのジョン・ポール・モロシによると、アストロズ、ブルージェイズ、メッツなど複数のチームがハンドに興味を示しているようだ。一時はメッツと契約合意間近であることが報じられたハンドだが、「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタールはこの情報が間違いであったことを明らかにし、「メッツと交渉中」と訂正している。

現在30歳のハンドは昨季インディアンスで23試合に登板してメジャー最多の16セーブ(成功率100%)を記録するなど、2勝1敗、防御率2.05、奪三振率11.86、与四球率1.64の好成績をマークして自身初となる最多セーブのタイトルを獲得。今季の契約は年俸1000万ドルのオプションとなっていたため、インディアンスがこれを行使し、ハンドが市場に出ることはないとみられていた。

ところが、極度の財政難に苦しむインディアンスはハンドの放出を決断。オプション破棄の際に発生するバイアウト100万ドルすらも節約するために、ハンドをウエーバー公示して他球団にハンドのオプションを引き継いでもらうことを試みたが、驚くべきことにハンドの獲得を希望するチームは現れなかった。結局、インディアンスはハンドにバイアウト100万ドルを支払い、契約を解除している。

メッツのサンディ・アルダーソン球団社長は「もしハンドがウエーバー公示された時点で私が今の役職に就いていれば、間違いなくハンドを獲得していた」と話している。当時、メッツではまだスティーブ・コーエンによる球団買収が正式に成立しておらず、アルダーソンにはチーム編成の権限がなかった。現在もアルダーソンのハンド獲得の意思は変わっておらず、メッツは複数年契約をオファーしているとみられる。

過去3年間でメジャー2位タイの82セーブをマークしている左腕を手に入れるのは、いったいどのチームだろうか。

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