巨人ドラ1・平内に重い十字架 新スカウト体制の成否を〝1期生〟が決める!?

新人合同自主トレでノックを受ける平内(手前)

原巨人の目利き力が試されそうだ。巨人のドラフト1位・平内龍太投手(22=亜大)らルーキーは14日から新人合同自主トレで汗を流している。近未来のチームを担う育成を含む19選手は昨年4月にスカウト体制を刷新して以降、初めて獲得した面々だ。即戦力、素材型と立場はそれぞれながら戦力面だけではなく、別の大きな“使命”も託されている。

金の卵たちはどんな成長曲線を描くのか。ジャイアンツ球場での合同自主トレ初日には多くの首脳陣が集結し、原辰徳監督(62)は「限界を超えたところにプロの世界はある」と心構えを説くとともに「簡単にケガをしましたと言ってしまうようでは、この厳しい生存競争を勝ち抜くことはできない」と厳しさも口にした。

指揮官自らがエースの菅野になぞらえ「智之2世」と称した平内は、春季キャンプで一軍スタートとなることが濃厚。外れ1位での指名にはなったが、スカウト陣の評価は“最上位”で、本人も「新人王」を目標に掲げるなど高い志をのぞかせている。そんな平内らの成長ぶりが例年以上に注目されそうで、球団関係者からも「今年の新人はスクスクと伸びてくれるだろうか」と熱い視線が向けられている。

というのも、今年の新人たちは新たなスカウト体制で獲得した第1号だからだ。昨年4月に人事が発令された決定打は、当時のドラ1ルーキー・堀田の誤算。昨年1月の新人合同自主トレ中に右ヒジを痛め、トミー・ジョン手術(靱帯再建術)を受け、今季のフル稼働が見込めないことから今オフに育成での再契約となった。

それ以前も上位指名した選手が故障に見舞われたり、伸び悩むケースが少なくなかった。結果的に満足できる活躍を見せられず、原監督も「ウチのスカウトは何をやっているんだ」と不満をぶちまけたことも…。そして当時のスカウト部長が事実上の更迭となり、大塚球団副代表編成本部長をスカウト部門を統括する担当とし、プロスカウトをスカウト部次長に復帰させるなど大幅なテコ入れを図った。

新たなスカウト体制で負の連鎖を断ち切れなければ、再び球団内に嵐が巻き起こらないとも限らない。平内らが順調に育っていけば、それこそ球団の“威信回復”につながるというわけだ。「ケガは絶対になく、そこに呼んでいただけるように」と一軍キャンプ入りに意欲を見せていた平内。新人に過剰な重圧をかけるのは酷な話だが、即戦力右腕が大きな“十字架”を背負っていることは間違いない。

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