【京成杯】グラティアスが楽々V 渡辺「ブレのないフォームで体幹がしっかりしている」

2戦2勝で重賞を仕留めたグラティアス

【渡辺薫&柏木集保「私たちはこう見た」・京成杯】

渡辺 グラティアスが危なげなく抜け出して重賞初制覇を決めた。それにしてもペースが遅かったな。メンバー構成からスローは読めていたけど、5ハロン通過が63秒7とは。これでは早々と番手のインにつけて直線も内を通ったグラティアスがあっさり勝つのも当然だ。

柏木 はい。上がり3ハロンで35秒を切ったのはこの馬(34秒9)だけですからね。実際、最後の直線でしっかり走れていたのもこの馬だけ。ほかはよれたり、フットワークが乱れて若さを見せていましたね。

渡辺 同感だ。ブレのないフォームで体幹がしっかりしている。やっぱりセリで2億円以上の値がついたのも納得だよ。

柏木 姉のレシステンシアはスピードタイプですが、こちらはかかるタイプではないし、父もハーツクライ。距離が延びても問題ないでしょう。

渡辺 スローペースの中でぴったり折り合って、うまく息も入っていたからな。ただ、勝ちタイムは2分03秒1。1勝馬だけのメンバーでは仕方のない面もあるが、皐月賞につながるレースとまでは言えない。

柏木 これで勝ち馬は3年連続して新馬から2戦2勝です。京成杯のレベルは例年それほど高くない印象がありますが、今年もレベルとしては怪しいですね。まあ、勝ち馬に関しては2馬身半差の完勝ですから、今後の成長次第というところでしょうか。

渡辺 そうだな。2着タイムトゥヘヴンは前走の勝ちタイム(2分03秒0)が本物であることは証明したが、この着差では完敗と言うしかない。

柏木 賞金を上乗せできたのは良かったかもしれませんが、今後、オープンクラスではちょっときついかもしれません。

渡辺 テンバガー、ヴァイスメテオールも見せ場はあったが、位置取りからすれば、もっと伸びてきてもよかった。1勝クラスでもう少しもまれてからだな。

柏木 プラチナトレジャーは返し馬からかかり気味。レースでもうまく流れに乗れなかったように、気性面に課題が残りましたね。

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