競泳の北島康介杯第2日(23日、東京辰巳国際水泳場)、女子100メートル自由形決勝が行われ、白血病からの完全復活を目指す池江璃花子(20=ルネサンス)が55秒35で4位に入り、東京五輪代表選考会となる日本選手権(4月)の参加標準記録(56秒53)を突破。出場資格を得たことで、東京五輪出場の可能性も出てきた。
収穫と課題が残るレースとなった。予選を全体6位(56秒16)で通過した池江は、前半50メートルを7位と出遅れながらも、後半にペースを上げて4位でフィニッシュ。目標としていた日本選手権の参加標準記録はクリアしたものの「予選ほど緊張はしなかったが、後半は体が固まってしまった。みんな前にいたので、焦りというか、そういう気持ちになって、うまく泳げなかった」と唇をかんだ。
昨年12月には「チャンスがあれば五輪に出たい」との意向を示していたが「今日(23日)のレースを泳いでみて『チャンスはあるのかなって疑問が生まれた。勝負の世界って甘くないんだなって痛感した」と反省。その上で「勝ち負けにこれからこだわっていかないといけない立場になる。練習中から東京五輪を目指すわけではなく、とにかく目の前にいるチームメートに勝つだとか、そういう細かいことを集中してやっていきたい。その先に結果がついてくると思うので、落ち着いて練習を積んでいきたい」と先を見据えた。
五輪切符を手にするためには、原則2位以内に入り、同種目の派遣標準記録(個人53秒31、リレー54秒42)を切る必要がある。日本選手権の出場について「ほぼ出ると思う」と語った池江の次なる挑戦が始まる――。