【長崎新聞社アンケート】感染症法改正案 「抑止期待」「中傷助長も」 罰則導入に

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医療現場は日々、感染者の対応に追われている(写真はイメージ)

 入院や疫学調査の拒否に刑事罰を科すことを盛り込んだ感染症法改正案。長崎県民アンケートでは、感染拡大防止の観点から賛成としつつも、同時に感染者の人権を守るよう求める意見もあった。
 「これ以上感染を広げないためにも罰則は必要。罰金の額が高ければ感染しないよう一層気を付けるようになる」。長崎市の40代販売員女性はこう話し、改正案に賛成した。賛成側に目立つのは実際に罰を科すのではなく、感染拡大防止につながるよう「抑止力の向上に期待」(対馬市の50代女性)する声だ。
 これに対し、「入院や疫学調査を拒否している感染者の割合や、そうした人たちが二次感染をどの程度引き起こしているか分からない」(長崎市の40代看護師)として、刑事罰の必要性に疑問を感じている人も少なくない。「保健所の疫学調査に虚偽の回答をしたと、どのように判断するのか」(大村市の40代男性)との指摘もあった。
 反対する人たちには感染者への誹謗(ひぼう)中傷や差別が助長されかねないとの懸念が強かった。対馬市の30代女性は「法を錦の御旗のように掲げ、感染者をさらに責めないか」と話す。五島市の60代パート女性は「感染したくて感染する人はいない。罰則を強化するより感染防止の啓(けい)蒙(もう)に力を入れるべきだ」と述べた。
 また、諫早市の50代パート女性は「感染して行動歴を明らかにするよう強制されるのであれば、(検査を受けずに済むよう)体調が悪くても隠す人が増えるかもしれない」と心配する。刑事罰に賛成という長崎市の男子大学生(20)も「入院拒否は、感染者を白い目で見る風潮も影響しているのではないか。そうした社会の意識を変えなければならない」と訴えた。